フェイントに引っかからないレシーブのコツ

レシーブ

後輩のトリッキーなプレーに翻弄される順平。

先輩としての面目丸潰れである。

そんな順平に、チームが誇るレシーブプリンセス優子が指摘したのは・・・

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後輩ペアとのゲーム練習にのぞむ順平。

もっとも後輩とはいっても年齢と加入時期が遅いだけで、バドミントン歴では先輩である。


ゲーム終盤。

後輩ペアの執拗な攻撃に、順平は粘り強いレシーブで必死に食い下がる。


(ここをしのげばまたチャンスは来る!我慢ガマン・・・)


後輩ペアのマッチポイントで迎えたラリーで、その時は訪れた。

ラケット面の向きと相手のポジショニングから、次の球をストレートのドライブと踏んだ順平。


(チャンス来た~~~~~~!!!)


その目がギラリと光る。

手薄になっているサイドを狙うべく、身構える順平。


だが!


気がつくとシャトルはすでにネット際に落ちていた。

打つ直前までドライブと思わせてからの、ネット際ギリギリに落とすドロップ。

彼が最も得意とするショットだ。


「順平さん、あれくらいで引っかからないでくださいよ。人が良すぎですよ♪」


後輩は無邪気に笑って、コートを去っていった。

あの純粋そうな笑顔からは想像もつかないトリッキーなショットだ。


目線も、腕の振りも、どう見てもドロップだったはずだ。

何度打たれても、あのフェイントは見抜ける気がしない。


(あれを止めるなんて、ムリだろ・・・)


大きな壁に、ガックリと肩を落とす順平。

そんな彼が、よろよろ歩いていると、何かにつまづいて豪快に転んでしまった。


「イテテテテテテ、なんだ!?」


足元を見ると・・・なぜかそこにはチームのレシーブプリンセス優子が横たわっていた。


「ちょっと優子さん、何やってるんですか!?危ないじゃないですか!!」

「・・・床から・・・見た・・・景色・・・面白い・・・。」


どこまでマイペースなんだこの人は・・・

あまりに予想外な行動を見せつけられ、呆然とする順平。


そんな順平に、優子は唐突にこんな話題を振ってきた。


「女の・・・ウソを・・・見抜く方法・・・知ってる?」

「ええと・・・目を見る・・・とか、そわそわしていないかとかですか?」


いきなりの話題転換についていけない順平は、とっさにこう答えた。

だが、優子の答えは違った。


「・・・そういうところは・・・変えるのが簡単だから・・・嘘がうまい人には・・・出ない。・・・でも・・・髪をいじったり・・・足を組み替える人は・・・多い。」

「なるほど。そういう部分ってなかなか変えられないですもんね。」

「・・・バドミントンだって、変えられない部分は・・・ある・・・よ。」


そうか!

順平の頭にひらめきが走った。

目線やスイングは変えられても・・・確かに変えられない部分はある。


順平の反応に満足そうな表情を浮かべる優子。

ニッコリ笑って、去っていった。

しかし、それを見送る順平は、心の中で思っていた。


(・・・でも、あなたの思考だけは・・・読める気がしません。)

ポイント

上級者のフェイントを見抜くのは難しいものです。

しかし、ポイントをおさえればある程度引っかからないようにすることは可能です。


そのポイントが、ストーリーでも出てきた「変えられない部分を見ること」。


初心者はラケットの動きや目線、腕の振りで次のプレーを予測します。

しかしこれらは、フェイントをかける相手が意識して変えてくる部分。

だから引っかかってしまうのです。


そこで肩の動きや腰のひねり、つま先の向きなど、体の中心に近い部分の動きを見るようにします。

これらの部分は、変えるとプレー自体が崩れてしまうため、なかなか変えられません。

例えばドロップとスマッシュを腕の振りで見分けるのは難しいですが、腰のひねりに注意すると違いが見えてきます。


これらの動きは、ラケットや目線と比べるとわかりにくいので、最初はなかなかうまくいかないかも知れません。

しかし、意識して見ることで徐々に読めるようになりますので、観察眼を養っていってくださいね。


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