後輩にせがまれ、ジャンピングスマッシュを教える順平。
攻撃的なバドミントンをするために、積極的に使うよう指導する。
だが、それを見ていた後衛のスペシャリスト大垣は・・・
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後輩にせがまれ、ジャンピングスマッシュを教える順平。
攻撃的なバドミントンをするために、積極的に使うよう指導する。
だが、それを見ていた後衛のスペシャリスト大垣は・・・
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「なるほど。わかりました。」
今日、順平が後輩に指導しているのはジャンピングスマッシュ。
数あるバドミントンのショットの中でも、最もダイナミックな花形とも言えるプレーだ。
順平の講義は続く。
「それじゃあしっかり練習してね。ジャンピングスマッシュが打てるようになると、攻撃力が上がるから。」
「はい。」
「威力はもちろん、角度もつけられるし。それに、相手を威圧できるのもポイントだね。」
「早く試合で使えるよう、頑張って練習します。」
早く試してみたくてうずうずしている後輩。
それを見て、順平も先輩のジャンピングスマッシュにあこがれていたことを思い出す。
何とか打てたときは、本当に嬉しかったなぁ。
その時だった。
聞いたことのある声が、2人の間に割って入った。
「待った。そんな理由だったら、ジャンピングスマッシュなんてやらない方が良いよ。」
後衛のスペシャリスト大垣だ。
横槍を入れられて、不機嫌になる順平。
「大垣さん。邪魔しないでくださいよ。」
「後輩の間違いを正すのは、先輩として当然だと思うがね。」
数分後。
順平と大垣は、コートで向かい合っていた。
大垣が、実際のプレーでその過ちを教えると言い出したのだ。
ミニゲームが始まった。
しばらくすると、打ち頃のチャンスボールが順平に飛んできた。
(よっしゃぁ!)
ジャンピングスマッシュで力任せに打ち込む順平。
だが、渾身の一撃はあっさり拾われてしまった。
不敵な笑いを浮かべながら、大垣が話しかけてくる。
「順平ちゃん。そんな大きく振りかぶったら、フォームから読まれちゃうよ。」
しばらくして、今度は大垣に距離のある山なりのボールが飛んだ。
レシーブ体勢に入ろうとする順平。
だが、大垣はシャトルが落ちてくるのを待たず、ジャンピングスマッシュで打ち込んできた。
予想より早いタイミングで返ってきたリターンに、ラケットが間に合わない。
唖然とする順平に、大垣は腕組みしながら、得意げに言った。
「どうだい順平ちゃん。ジャンピングスマッシュの本質はわかったかな?」
ポイント
そのダイナミックなフォームから、初心者や中級者は、ジャンピングスマッシュを威力と角度のあるショットと考えがち。
しかし実際は、飛ばずに打った方が威力のあるスマッシュが打てます。
また、体勢が崩れてしまうことが多く、球足が伸びやすいので、角度も意外につきません。
相手を威圧するためという人もいますが、それが通用するのは初心者まで。
上のレベルではまず通用しません。
ストーリーの中で順平君が指摘されたように、フォームが大きいため読まれやすいのも大きなデメリットですね。
では、ジャンピングスマッシュの本当のメリットは何なのでしょうか。
それは、「シャトルへのタッチを早くできること」です。
スタンディングで打てるまでシャトルが降りてくるのを待っていたら、体勢を立て直されてしまう。
そんなときに、相手から時間を奪うためのショットなのです。
どんなプレーにも、本質があります。
今打とうとしているショットにはどんな意味があるのか。
常に考えるようにしていきましょう。
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