ダブルスが強いペアのラリーのポイント

ダブルス

流行に乗り遅れないよう、バドミントン雑誌の購読を欠かさない順平。

今回の特集は、「相手を止めてから動かすラリー。」

大きく頷きながら読む順平だったが、レシーブプリンセス優子は・・・

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「なるほど。これが今時の流行か。」


順平は頷いた。

開いているページには、デカデカと「これからのバドミントンは『止めてから動かすラリーが主流』」と書かれていた。


確かに、ずっと走るより、足を止められてから急に動かされる方がキツイ。

相手を釘付けにする配球から一気に動かして隙をつくり、そこを攻めろといったことが書かれてる。


何度かそんな話は聞いていたが、改めて聞かされると、なるほどなぁと思う。

さっそく試したくて、腕がウズウズしてきた。


待ちに待ったゲーム練習の時間がやってきた。

さっそくレシーブプリンセス優子にコンビを依頼する順平。

優子は快く、引き受けてくれた。


「今日は最新のバドミントンをやりますよ♪」


順平はニコニコしながら、優子に声をかけた。

何を言っているのかわからないのだろう。

優子の頭にはてなマークが飛んでいる。


順平は得意げに話を続けた。


「相手を止めてから動かすラリーですよ。知らないんですか?」

「・・・知ってる・・・けど。」

「とにかく今日の僕は一味違いますよ。」

「・・・」


ゲーム練習の時間がやってきた。

さっそく、順平の試みが始まった。


相手のボディや足元を狙って、とにかく足を止める。

そして、頃合いを見て相手を動かす。


(さぁ、どうだ!)


・・・だが、何度やっても相手は平然としている。

それどころか、いつもより楽にゲームをしているようにすら感じる。


目論見が外れ、頭を抱える順平。


(なぜだ~!!)


その様子から、心情を悟ったのだろう。

優子が頭を撫でながら、声をかけてきた。


「・・・順平くん・・・これさえやれば・・・大丈夫なんてことは・・・ないよ。」

ポイント

ラリーポイント制の導入から、コンパクトなラリーが主流になった今のバドミントン。

ストーリーでも出てきた通り、相手の足を止めてから一気に動かすラリーが多くなっています。


ただ、誰に対してもそれが有効と考えるのは、あまりに一辺倒です。

足に自信のない相手や、疲れて足が止まっている相手に使っても意味がありません。

そんなことをしても、喜ばれるだけですよね。

そういう時は、シングルスのように、相手を大きく動かすラリーをした方が、効率的に点を取れます。


相手の足を止めるラリーと、動かすラリーは光と影、コインの裏と表。

そのどちらが欠けても片手落ちです。


優子さんも言うとおり、これだけやればOKというものは存在しません。

相手に合わせて使い分けることで、はじめてゲームの主導権を握れるのです。


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