あと一歩のところで接戦に競り負けてしまった順平。
たった1回のミスが招いた敗戦に、ゲームが終わっても悔しさがおさまらない。
そんな順平がコートに目を向けると・・・
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あと一歩のところで接戦に競り負けてしまった順平。
たった1回のミスが招いた敗戦に、ゲームが終わっても悔しさがおさまらない。
そんな順平がコートに目を向けると・・・
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いや。それは読まれているだろうから奥に・・・
その迷いが命取りになった。
中途半端なリターンを強打で叩きこまれてしまう順平ペア。
結局、その1打で相手が勢いづいてしまい、負けてしまった。
「あ~もう。僕はなんて優柔不断なんだ!」
順平の優柔不断は、バドミントンに限ったことではない。
何を食べるか、どちらのCDを買うか、ババ抜きでどのカードを引くか・・・
選択の場に立たされるたび、迷ってしまう。
(こんな性格じゃなかったら、もっと強くなれるのかな。)
ふと顔を上げると、我がチームが誇るレシーブプリンセス優子のペアがゲーム練習をしているのが見えた。
相手は、先日チームに加入したばかりの新人ペア。
新人といってもそれなりの経験があり、トリッキーな配球で対戦者を苦しめてくる。
順平も何度か手合わせしているが、かなりのテクニシャンだ。
双方一歩も譲らぬ展開が続き、見ているだけで手に汗がにじむ。
今日も配球が冴える相手ペア。
自分だったら拾えないだろう、と思うシーンが何度もあった。
しかし、さすがはレシーブプリンセス優子。
それに惑わされることなく、安定した返球を崩さない。
(優子さんは・・・なんであんなに迷うことなくプレーできるんだろう。)
そんな順平の疑問をよそに、ゲームは進む。
そしてゲーム終盤。
順平はあることに気づいた。
それは、相手が微妙なコースに打った時の優子の返球だった。
(もしかして・・・)
優子のリターンは順平の予想通り、相手前衛と後衛の間に飛んだ。
思い返せば、優子は微妙なコースに飛んできたショットをすべて同じ球で返していた。
「そうかわかったぞ!」
早く実践で試したい。
腕のうずきが止められない順平であった。
ポイント
予期せぬコースに打たれたとき。
あるいは、隙のない相手と戦うとき。
迷いから、中途半端なショットを打ってチャンスボールになってしまうことってありますよね。
そんなときに有効なのが、「考えがまとまらないときに打つショットを決めておくこと」です。
少しでも強気なショット・相手が嫌がるショットをと考えるから迷いが生まれる。
だったら、迷った時は「自分たちの得意な展開につながるショット=つなぎ球」を打つと決めておけば良いのです。
つなぎ球というと、消極的に聞こえますが、バドミントンは思ったように打てないことのほうが多いもの。
功名心から相手の配球で踊らされるよりは、主導権を渡さないショットを打つ方がよっぽど積極的です。
特に初心者は攻めることだけを考えるため、迷いの罠にはまりがちです。
しかし、あえて逃げ道を用意しておくことで、隙をなくすことができるのです。
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