試合の中で、自分の持ち味が出せない順平。
今日のゲーム練習でも、相手に丸め込まれてしまった。
そんな順平にレシーブプリンセス優子は・・・
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試合の中で、自分の持ち味が出せない順平。
今日のゲーム練習でも、相手に丸め込まれてしまった。
そんな順平にレシーブプリンセス優子は・・・
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ゲーム練習が終わると、順平はタオルを床に投げつけた。
終始相手にペースを握られてしまい、自分の持ち味が発揮できなかった。
全力を尽くして負けるならまだ良い。
しかし、不完全燃焼で終わるゲームほど嫌なものはない。
ひいき目に見ても、今日の相手は勝てるはずの相手だった。
ドライブの打ち合いに持ち込めれば、勝機はあったはずだ。
しかし、ネット際での攻防に持ち込まれ・・・負けた。
『バドミントンはいかに自分がやりたいことをやり 相手にやりたいことをさせないかの勝負です。』
先日読んだバドミントンの教本に書いてあった一節が思い出される。
まさにその通りだ。
途方にくれる順平。
その瞬間、視界が真っ暗になり、目に激痛が走った。
「痛~~~っ!!!」
優子だった。
後ろから目隠しをして『だーれだ』がやりたかったようだが・・・指が目に突き刺さった。
充血した目で優子をにらむ順平。
だが、彼女は頭をポリポリかいている。
怒る気が失せた。
「・・・ところで・・・」
優子が話を切り出してきた。
「さっきのゲーム・・・4回以上・・・続くラリーが・・・ほとんど・・・なかった。」
「あぁ、相手は速い展開のゲームが苦手だったんで、スピーディなラリーを意識したんです。」
優子が首をかしげる。
何か変なことを言っただろうか。
優子が話を続ける。
「・・・それで、自分も力が出せなきゃ・・・意味がない。」
「えっ?」
「・・・4回と・・・10回・・・どっちがチャンスは・・・増える?」
ポイント
実際のバドミントンの試合を見ていると、速い展開が得意なダブルスのペアでも、あえて長いラリーを選択するシーンをよく見ます。
もちろん、相手が長いラリーを得意としていないからという場合もあるでしょう。
しかし、長いラリーには、得意・不得意とは別にもう1つ大切なメリットがあります。
それは、「チャンスを増やせること」。
ラリーが長くなれば、当然シャトルを打つ回数が増えます。
ということは、自分にとってやりやすい返球が来る可能性が高くなる。
自分の得意なプレーに持ち込むチャンスも増えるわけです。
ダブルスでは、どうしても試合のペースが速くなりがち。
そのため練習の成果が出せないまま、不完全燃焼で終わってしまうことが多くなります。
もちろん、自分たちなりの必勝パターンが少ない打数で実現できるなら、それはそれで構いません。
しかし、それで自分の持ち味が出せなければ本末転倒です。
そんな時のための手として、ラリーを長くすることを覚えておいて損はありませんよ。
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