村上春樹は、村上龍とともに時代を代表する作家と言われる文学界の重鎮。
ジャズ喫茶の経営を経て、1979年『風の歌を聴け』で、群像新人文学賞を受賞するという鮮烈なデビューを飾った。
その後も、『ノルウェイの風』『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』など、多くのヒット作を生み、国内外問わず高い評価を得ている。
そんな村上に、ひとつおもしろい話がある。
実際はともかく、本人は自分が人と話すのはうまくないと語っているのだ。
本人曰く、語彙(ごい)が多すぎて言葉を選びきれず、話が途切れてしまうのだという。
村上の言葉の引き出しの多さを物語るエピソードだ。
このバックボーンが、彼の緻密な描写を支えているのだろう。
このように小説家にとって命ともいえる語彙。
実はバドミントンの上達にも大きく関わってくる。
なぜなら、練習の中で見つけたコツは、言葉にしなければ忘れてしまうからだ。
あれだけ練習したことだから身についたはずだ、と安心している人は多い。
だが、人の記憶ほどあてにならないものはない。
どんなに強く印象に焼き付けたことでも、少し間を開ければあっけなく忘れてしまう。
微妙な感覚が大切なプレーであれば、なおさらだ。
だからこそ、感覚を言葉に置き換えて整理することが大切になる。
これは、単に忘却を防止できるだけではない。
整理する過程で、より深い理解をすることにもつながるのだ。
この際のやり方は色々あるだろうが、やはりノートなどに文章として書き留めるのがおすすめだ。
頭だけで考えるより整理しやすく、あとから振り返ることができるからだ。
日々上達する人は、感覚だけには頼らない。
無駄なく効率的に技術を習得できる仕組みを持っているのである。
■ 今日の格言 「村上春樹はバドミントンでも成功する」