羽生善治は、いまだ破られぬ7冠独占という偉業を成し遂げた名棋士だ。
複数の戦法を使いこなすオールラウンドプレイヤーで、その優雅な棋風は観戦者を魅了する。
また、意外に知られていないことだが彼はチェスも強い。
多忙のため月に1,2度程度の練習しかしていなかったにも関わらず、26歳から始めてわずか2年で全日本百傑戦で優勝を果たしている。
彼は言う。
「直線で30-40手。枝葉に分かれて300-400手。」
つまり、30手から40手先を読み、その先をさらに300手から400手読むというのだ。
この言葉からも、彼がいかに勝負の全体像・大局を重視しているのかがわかる。
将棋における初心者と上級者の1番の違いは、大局で勝負を考えられるかどうかだ。
初心者は、飛車や角といった盤上を大きく動ける駒を重宝し、歩を捨て駒にする。
多くの駒を取ることを目的にし、飛車・角を取られまいと必死になる。
その結果、気づかないうちに戦況は悪化していく。
しかし上級者は違う。
彼らが優先するのは1枚1枚の駒ではなく、あくまでも大局。
そのため持ち駒に執着せず、場合によっては飛車や角より歩を優先することさえある。
「歩の使い方を見れば、棋力がわかる」という言葉があるほどだ。
バドミントンでも同じことが言える。
極端な話、たとえ負けても得意なプレーができれば、自分の仕事はできたなどと勘違いしている人は意外に多い。
勝負の本質は内容ではなく結果。
どれだけ良いショットを打とうが、負けてしまえば全ては終わりだ。
目先のことにとらわれず、大きな流れで勝負を見られるプレーヤーでありたいものだ。
■ 今日の格言 「羽生善治はバドミントンも名人級」