桑田真澄。
野球ファンではなくても、名前くらいは知っているだろう。
投手としては決して恵まれない体格だったにもかかわらず、巧みなコントロールで結果を出し、読売ジャイアンツでエースナンバー18番を背負い続けた。
そんな彼の特徴の1つに、マウンドでボールに向かって語りかけるしぐさがある。
当時のVTRを見ると、
「打たれるわけがない・打たれるわけがない・・・」
「大丈夫だ・大丈夫だ・・・」
などと、唇を動かしているのがわかる。
ポジティブな言葉を繰り返し声に出し、自分に言い聞かせるのはメンタルをコントロールする有効な方法だ。
実践している人も多いだろう。
だが、もう1つ口に出したほうが良いことがあることは、意外に知られていない。
それは、「自分が置かれている不利な状況」だ。
マイナス要因を口に出すなど、気持ちが萎えてしまうように思える。
確かに、
「もうダメだ・勝てっこない・やられる・・・」
というマイナスの結果を連想させるキーワードは禁句だ。
しかし小さな不安に関して言えば、胸の奥に押し込まず、口に出した方が整理できるものだ。
よくあるバドミントンのシーンを取り上げてみよう。
ストレートの返球が思うように決まらないことが続いたとする。
最初は偶然だと思っていたが、何度打っても決まらない。
すると、
「もしかしたらこのレシーブも読まれているのでは?」
「こっちにヘアピンを打っても待ち構えられているのでは?」
と、いう具合に何をやってもダメというマイナス思考に陥りがちになる。
だが、このとき
「ストレートが決まらない。」
と口に出したらどうだろうか。
自分のバドミントンが通用しないのではなく、ストレートがうまく決まらないのだとわかる。
その結果、
「だったらクロスの返球をしてみよう。」
という具合に、建設的で前向きな判断ができる。
試合でベストパフォーマンスを発揮する人は、言葉の持つ力の大きさを知っている。
だからこそ、実戦の中で使いこなすことができるのだ。
■ 今日の格言 「メンタルが強いヤツには桑田ファンが多い」