週間少年マガジンの大ヒット看板マンガ「はじめの一歩」。
迫力ある戦闘シーンとコミカルな人間描写で、2011年時点で累計8500万部の単行本が売れている。
今回取り上げる鴨川会長は、主人公が所属するジムの会長。
頑固な性格で、練習生に課すトレーニングは、質・量ともに半端ではない。
もちろん、科学的根拠に基づいたボクシング理論を持ってはいるが、その根底に流れるのは、やはり昔ながらの努力と根性。
そんな彼を慕い、主人公は誰よりも汗を流す。
努力が大切なことは紛れもない事実だ。
だが、何でも努力で解決できるという考え方には、いくつか問題がある。
わかりやすいように、実際のバドミントンのシーンに置き換えてみよう。
よく試合前に「努力してきたから大丈夫だ!」と自分を振り返って、自信をつけようとする人がいる。
緊張するだろうし、その気持ちはわからないでもない。
だが、努力すればそれに応じた成果が上がるのは、テストかダイエットくらいのものだ。
それなりの試合でコートにあがる選手は、全員並々ならぬ努力をしている。
人と違いがないのなら、それは強みにはならない。
つまり、努力だけでは通用しないのだ。
また、努力そのものが目的になってしまっている人も多い。
そういう人は無意識のうちに、たとえ負けても自分が努力したことに満足してしまう。
だから、真剣に敗因を探ったり、悔しさをかみ締めない。
そして、勝ちからどんどん遠ざかってしまうのだ。
結果を出すためには、努力はするものではなく「息をするのと同じくらい自然にしているもの」でなければならない。
努力は勝つための手段の1つ。
絶対条件ではあるが、十分条件ではないことを覚えておこう。
■ 今日の格言 「結果を出す人は鴨川会長を信用しない」