2011年12月19日。
国民的時代劇が42年の歴史に幕を下ろした。
助さん・格さん・・・そう、「水戸黄門」である。
越後のちりめん問屋に扮した水戸光国が諸国を漫遊し、悪を正す子供からお年寄りまで楽しめるドラマ。
この水戸黄門に欠かせないのが、印籠である。
副将軍の証であるこのアイテムを格さんがかざせば、どんな悪党もひれ伏す究極のアイテム。
最初から出せば済むのでは、と突っ込みたくなる人もいるだろう。
・・・だが、そうでもないのだ。
水戸光国一行の面々に注目してみよう。
剣の達人 助さん・空手の名手 格さん・諜報活動要員の弥七や飛猿・そしてムードメーカーのうっかり八兵衛・・・
実にバランスが良い。
光国は身分を隠し、この戦力をうまく使って緻密な情報収集で少しずつ悪を暴いてゆく。
逆に最初から印籠を使ってしまっては、悪事の証拠を隠蔽されてしまうだろう。
きっちりと証拠を固めるからこそ、印籠の効果が発揮されるのだ。
バドミントンにも同じことが言える。
強力なスマッシュを切り札にしているプレーヤーがいるとする。
ある程度のレベルまでなら、これだけで相手をねじ伏せることもできるだろう。
しかし上級者の試合では通用しない。
うまく配球されて、やすやすとスマッシュを打てないこともあるだろう。
実際、トップクラスの選手の試合を見ると、切り札はここぞというときにピンポイントで使われることがほとんどだ。
パートナーと戦術を整え、配球など準備を十分にしてから決め球を打つ。
相手に狙い球を絞らせないからこそ決まるのだ。
どんなに強力な武器でも、ガンガン使っていては慣れられてしまう。
切り札は安売りせず、ちらつかせるくらいでちょうど良いのだ。
■ 今日の格言 「水戸黄門は印籠がなくても強い」