タイガーウッズ。
ゴルフに興味がない人でも、名前くらいは知っているだろう。
スキャンダルなどでこの数年はゴルフ界から姿を見せていないが、史上最年少での賞金王やメジャー大会4連覇など輝かしい戦績を持つトップゴルファーだ。
彼にまつわる逸話に、こんな話がある。
それは、2005年10月の世界ゴルフ選手権最終日でのこと。
ジョン・デイリーと熾烈な優勝争いを繰り広げていたタイガーウッズ。
ゲーム終盤、タイガーは大事なロングパッドをはずしてしまう。
一方のジョンは、1mのパッドを決めれば優勝。
同じ状況だったら、誰もがジョンのパッドが外れることを願うだろう。
しかし、タイガーは違った。
彼はジョンのパッドを「入れ!」と、心から願ったという。
結局、ジョンがパッドを外し、プレーオフでタイガーが優勝を決めた。
後のインタビューで、タイガーは次のようなことを語っている。
「自分のライバルには強くあってほしいから、心から入ってほしいと願った。」
実に模範的なエピソードだ。
だが、実はこの話には裏がある。
彼は嘘は言っていない。
しかし、タイガーがパッドの成功を願った本当の理由はほかにある。
それは、
「自分がラッキーによる勝利を受け入れたくなかったから」である。
これはバドミントンにも応用できる考え方だ。
運も実力のうちと考えられないこともない。
しかし、運が良かったから勝てたことを受け入れるのは、「自分の実力では勝てない」と自己暗示をかけているのと同じことではないだろうか。
では、実際のバドミントンのシーンに置き換えて考えてみよう。
相手のマッチポイントで迎えたラリーで、チャンスボールをあげてしまったとする。
あなたは、「スマッシュを失敗してくれ!」と願ってしまわないだろうか。
もしそうなら、今日から改めた方が良い。
ラッキーによる勝利を喜んでいるうちは、本当の強さは手に入らない。
そのためには、まず相手のミスに対する考え方を変えてみよう。
■ 今日の格言 「一流はタイガーウッズの言葉の裏を読む」