レシーブプリンセス優子とのペアで始まったゲーム練習。
調子の上がらない順平はミスを繰り返すが、優子はそんな順平を優しく励ます。
だが・・・
スポンサード リンク
レシーブプリンセス優子とのペアで始まったゲーム練習。
調子の上がらない順平はミスを繰り返すが、優子はそんな順平を優しく励ます。
だが・・・
スポンサード リンク
順平の声がコートにこだまする。
甘いコースに入ってしまったヘアピンは、強烈なプッシュで打ち込まれた。
「す、すみません優子さん。今日はダメダメですね。」
うなだれる順平。
今日はどうも調子が悪い。
良いプレーより確実なプレーをしようとするのだが、ミスのスパイラルから抜け出せない。
だが優子は気にした様子もなく、そんな順平を優しく励ます。
「ドンマイ・・・順平くん。・・・そんな時も・・・ある・・・よ。」
「ありがとうございます。次は絶対決めますから!」
「・・・力んじゃ・・・ダメ。・・・バドミントンは・・・リラックスが大事・・・だよ。」
「はい。」
後半になっても順平の調子は上がらない。
しかし、優子の様子は変わらない。
自分が優子の立場だったら怒り出すだろうな。
そう思うと申し訳なくなってくる。
しばらくして、前衛に入っていた順平はまたミスを犯す。
自分が取るべき球に触れなかったのだ。
(あ~、またやっちゃったよ。)
シャトルが床に落ちるのをただ見守る順平。
だが、優子は順平がスルーしたシャトルを追いかけ、なんとか相手コートに返した。
しかし、優子の健闘むなしく、シャトルは乱れた守備の隙間に押し込まれた。
「すみません、優子さん。触れなくって。」
口では謝りつつも、これまで同様許してくれると思っていた順平。
だが、今回ばかりは違った。
「・・・もう、やめよう。私・・・順平くんと・・・これ以上、やりたく・・・ない。」
「ちょっと待ってください!あの球に触れなかったのって、そんなにひどいミスですか?」
これまで優しかった優子の豹変ぶりに驚く順平。
言い訳にはならないだろうが、見逃してしまったのは、かなり厳しいコースだった。
あれがダメだというのなら、それまでのミスの方がよっぽどダメだろう。
しばらくの間をおいて、優子は口を開いた。
「私が・・・怒っているのは・・・スルーした後・・・順平くんが、ボーッと・・・してた・・・こと。」
「え?」
「ダブルスは・・・2人でやるもの・・・だよ。」
ポイント
バドミントンは人がやるものですから、当然ミスも出ます。
しかし、ことダブルスに関しては絶対にやってはいけないミスというものがあります。
それは、「自分のミスをカバーしてくれたパートナーをカバーしないこと」。
今回の順平くんのように、前衛が止めるべきところを抜かれてしまった場合。
抜かれてしまった事自体は、ある程度仕方のないことです。
でもこの時、順平くんが優子さんが動きやすい位置に移動し、相手の返球に備えていれば結果は変わっていたかも知れません。
しかし順平くんは、ただボーッとしていました。
これでは、
●ラリーが続く可能性が完全に0になる
●たとえ取れなかったとしても、相手に「このコンビはお互いをカバーしてくる」というプレッシャーが与えられるのに、それも無になる
●パートナーの戦意喪失
というように、取るべき球を取れなかった最初のミスと合わせて、4つのミスを同時に犯すことになります。
当たり前のことですが、ダブルスは2人でやるものです。
せっかくコンビを組んでいるのにシングルスをしてしまっては、勝てるゲームも勝てなくなってしまいますよ。
スポンサード リンク