バドミントン上達のためのフォームとは?

フォーム

偵察を兼ねて、ライバルチームの出場するバドミントン大会を観戦する順平と優子。

順平は、きれいなフォームでプレーする選手たちに、感心しきりだ。

だが、その様子に優子は・・・

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ある日曜日。順平と優子は隣町の体育館にいた。

そこで開かれているのは、チームメンバーの都合がつかず、残念ながら出場を見送ったオープンバドミントン大会。

ライバルチームも出ているので、特に予定のなかった2人が、偵察を兼ねて観戦にきたのだった。


全力でプレーする選手たち。

それを見ていると、自分もやりたくて腕がムズムズしてくる。


特に順平の目に留まったのは、ライバルチームのキャプテンである加賀谷。

教科書から飛び出してきたのかと思うほど、きれいなフォームでレシーブする姿が印象的だ。


インターバルの間、順平は優子に話しかけた。


「加賀谷さん、相変わらずきれいなフォームでレシーブしてますね。憧れちゃうなぁ。」

「・・・そう・・・だね。」

「優子さんは、気になる選手います?」


自分もレシーブプリンセスと呼ばれるくらいだから、やっぱり加賀谷さんのことを意識してるかな。

そんな順平の予想に反して、優子は意外な回答をした。


「・・・加賀谷くんの・・・相手・・・」


順平は耳を疑った。

お世辞にもきれいとは言いがたいフォームで、順平は、『ああはなりたくない』とさえ思っていた。


「優子さん何言ってるんですか?あんな汚いフォームですよ。」


その一言に、優子は少しあきれた表情を浮かべた。


「加賀谷くんが・・・きれいなフォームで・・・打っているのは・・・返球が・・・やさしいから・・・」

「えっ?」

「・・・でも、相手は・・・フォームを崩しても・・・あんなに厳しい球に・・・対応してた。」

「そ、そういえば・・・」


その言葉を裏付けるかのように、第2セットから徐々に調子を上げてきた相手ペア。

あれほどきれいだった加賀谷のフォームは・・・見る影もなく崩れていた。

それとは対照的に、相手のフォームは、加賀谷以上にきれいになっていった。


ゲーム展開を見ながら、優子はいった。


「きれいな部分だけ見てても、なんの参考にも・・・ならない・・・よ。」

「・・・」

「・・・見習うべき・・・は・・・フォームの・・・変化。」

ポイント

上級者やトッププレーヤーのフォームに憧れる気持ちはわかります。

しかし、バドミントンはフォームのきれいさを競うものではありません。

きれいなフォームやカッコ良いと思う部分だけを真似ても、上達は見込めません。


なぜなら、きれいなフォームで打てているのは、返球が楽で余裕があるから。

でも、実際のゲームに楽なシーンなんて、ほとんどありませんよね。


上達のための観戦で見るべきは、上級者やトッププレーヤーの崩れたフォームや、フォームの変化です。


● いつもはきれいなフォームで打つ人が、何でここでフォームを崩したんだろう。

● 同じコースにきた球なのに何で別のフォームで処理したんだろう。


こういう視点でフォームを見れば、自分に必要なことや取り入れられることが見えてきます。

きれいな部分だけを見て、憧れだけで終わってしまっては、得られるものはありませんよ。


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