偵察を兼ねて、ライバルチームの出場するバドミントン大会を観戦する順平と優子。
順平は、きれいなフォームでプレーする選手たちに、感心しきりだ。
だが、その様子に優子は・・・
スポンサード リンク
偵察を兼ねて、ライバルチームの出場するバドミントン大会を観戦する順平と優子。
順平は、きれいなフォームでプレーする選手たちに、感心しきりだ。
だが、その様子に優子は・・・
スポンサード リンク
そこで開かれているのは、チームメンバーの都合がつかず、残念ながら出場を見送ったオープンバドミントン大会。
ライバルチームも出ているので、特に予定のなかった2人が、偵察を兼ねて観戦にきたのだった。
全力でプレーする選手たち。
それを見ていると、自分もやりたくて腕がムズムズしてくる。
特に順平の目に留まったのは、ライバルチームのキャプテンである加賀谷。
教科書から飛び出してきたのかと思うほど、きれいなフォームでレシーブする姿が印象的だ。
インターバルの間、順平は優子に話しかけた。
「加賀谷さん、相変わらずきれいなフォームでレシーブしてますね。憧れちゃうなぁ。」
「・・・そう・・・だね。」
「優子さんは、気になる選手います?」
自分もレシーブプリンセスと呼ばれるくらいだから、やっぱり加賀谷さんのことを意識してるかな。
そんな順平の予想に反して、優子は意外な回答をした。
「・・・加賀谷くんの・・・相手・・・」
順平は耳を疑った。
お世辞にもきれいとは言いがたいフォームで、順平は、『ああはなりたくない』とさえ思っていた。
「優子さん何言ってるんですか?あんな汚いフォームですよ。」
その一言に、優子は少しあきれた表情を浮かべた。
「加賀谷くんが・・・きれいなフォームで・・・打っているのは・・・返球が・・・やさしいから・・・」
「えっ?」
「・・・でも、相手は・・・フォームを崩しても・・・あんなに厳しい球に・・・対応してた。」
「そ、そういえば・・・」
その言葉を裏付けるかのように、第2セットから徐々に調子を上げてきた相手ペア。
あれほどきれいだった加賀谷のフォームは・・・見る影もなく崩れていた。
それとは対照的に、相手のフォームは、加賀谷以上にきれいになっていった。
ゲーム展開を見ながら、優子はいった。
「きれいな部分だけ見てても、なんの参考にも・・・ならない・・・よ。」
「・・・」
「・・・見習うべき・・・は・・・フォームの・・・変化。」
ポイント
上級者やトッププレーヤーのフォームに憧れる気持ちはわかります。
しかし、バドミントンはフォームのきれいさを競うものではありません。
きれいなフォームやカッコ良いと思う部分だけを真似ても、上達は見込めません。
なぜなら、きれいなフォームで打てているのは、返球が楽で余裕があるから。
でも、実際のゲームに楽なシーンなんて、ほとんどありませんよね。
上達のための観戦で見るべきは、上級者やトッププレーヤーの崩れたフォームや、フォームの変化です。
● いつもはきれいなフォームで打つ人が、何でここでフォームを崩したんだろう。
● 同じコースにきた球なのに何で別のフォームで処理したんだろう。
こういう視点でフォームを見れば、自分に必要なことや取り入れられることが見えてきます。
きれいな部分だけを見て、憧れだけで終わってしまっては、得られるものはありませんよ。
スポンサード リンク