バドミントンへの慣れから、いつの間にか忘れていることの多さに気づいた順平。
そこで、教本を読み返し、もう1度基本を固めることにした。
だが、実際にやってみると・・・
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バドミントンへの慣れから、いつの間にか忘れていることの多さに気づいた順平。
そこで、教本を読み返し、もう1度基本を固めることにした。
だが、実際にやってみると・・・
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しばらくして、ページをめくる手が止まった。
そこは、バドミントンを始めたばかりの頃に、大切だと思ってマーカーを引いたページだった。
『バドミントンの基本はどこにでも動けるホームポジション。打ったらすぐにコート中央へ戻るようにしましょう。』
時計を見ると、そろそろ午後の練習が始まる時間だ。
順平は教本を閉じ、それをバッグにしまいこんだ。
「これも最近意識していなかったなぁ。よし、今週はホームポジションを意識するようにしよう。」
午後の練習が始まった。
順平の頭の中は、ホームポジションで一杯だ。
(打ったらコート中央へ・・・打ったらコート中央へ・・・ホームポジション・・・ホームポジション・・・)
誰にも聞こえないよう、お経のように何度も何度も念じながら練習をこなしていく。
それから、どれくらいたっただろうか。
「順・・・平・・・おい、順平」
自分を呼ぶ声にハッと我に返ると、そこにいたのは元木だった。
「あ、元木さん。どうしたんですか?」
「どうしたんですかじゃねぇよ。ずっと呼んでるのに無視しやがって。」
「す、すみません。」
順平は頭をかいた。
集中力が高いのは良いことだが、周りが見えなくなるのは問題だ。
元木が話を続ける。
「お前どうしたんだ?『ホームポジション・ホームポジション』って。」
「えっ?」
「怖いんだよ!ずっとつぶやかれると!!」
「あっ、口に出てました?」
そこで順平は、ことのいきさつを元木に説明した。
それを聞いた元木は・・・あきれ顔になった。
「お前さぁ。ホームポジションってどこだと思ってるわけ?」
「えっ?もちろんどこにでもすぐ動けるコート中央ですよ。」
「・・・あのさぁ、お前、待ち球に優先順位つけてないの?」
ポイント
一般に言われるコート中央のホームポジションは、確かにどこへでも移動しやすい立ち位置。
初級レベルのゲームでは、それなりの効力を発揮するでしょう。
しかし裏を返せば、来るはずのないコースへの対応も見越した、ムダの多いポジショニングであるのも事実。
コンマ1秒が勝負を決めるバドミントンでは、このムダが命取りになります。
ですから、高いレベルのゲームでは、待ち球にしっかりと優先順位をつけた上でポジション取りをするべきです。
優先順位の付け方で一番シンプルなのは、以前「実はこれだけ!サーブリターン対策。」でも紹介した滞空時間による順位づけ。
滞空時間の長いショットは、打たれた後でも追い付けるので、滞空時間の短い球への対応を優先する考え方です。
この考え方にのっとると、主に前衛が対応するショットへの優先順位は、
1.プッシュ
2.ヘアピン
3.ロブ
となります。
つまり、よほどパートナーが後ろにいない限りは、一般のホームポジションより前に出た方が、楽な対応ができるのです。
横のポジションを決めるときにも、同じことが言えます。
右にくるか、左にくるかはこちらの配球から予想できるのですから、考えもなしに中央に戻るのはムダな動きですよね。
ホームポジションとは、コート中央のことではありません。
その時々で変わる、待ち球の優先順位通りにプレーできる場所のことなのです。
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