レシーブプリンセス優子と組んで、オープンバドミントン大会に出場した順平。
第1セットから相手を分析し、中盤からの戦い方を提案する。
しかし、その提案に優子は・・・
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レシーブプリンセス優子と組んで、オープンバドミントン大会に出場した順平。
第1セットから相手を分析し、中盤からの戦い方を提案する。
しかし、その提案に優子は・・・
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しかし、実力はほぼ互角。
どちらが勝ってもおかしくない。
そう考えた順平は、インターバルで優子に声をかけた。
「優子さん。相手の後衛、やたら右サイドにスマッシュを打ってきますよね。」
「・・・うん・・・そう、だね。」
「これを封じないと、2セット目は勝てないかもしれませんよ。」
「・・・」
「で、考えたんですけど。第2セットは右サイド寄りに守ったらどうでしょう?あと配球も注意して。そうれすればカウンターも取りやすくなるし。」
黙って話を聞いていた優子は、じっと順平を見つめた。
真っ直ぐな視線に、少し照れる順平。
「あ、あの・・・優子さん?」
「・・・順平くん・・・ちゃんと・・・考えて・・・いるんだね。」
「な、何言ってるんですか?バドミントンは勝たなきゃ意味ないじゃないですか。それくらい当然ですよ。」
そんなやり取りの後の第2セットは、大接戦になった。
どちらかが連続ポイントを取ったら、一気に流れが傾くだろう。
相手のセットポイントで迎えたゲーム終盤。
おそらくこれをしのげなければ、第3セットも押し切られてしまうだろう。
(・・・大丈夫・・・優子さんのレシーブだったら・・・)
そう自分に言い聞かせ、プレーに入る。
相手がスマッシュの体勢に入った。
右サイドか!?
身構える順平。
だが、打たれたのは左サイド。
完全に裏をかかれた。
まずい!
順平は自分の考えが、間違っていたことに猛烈な後悔を感じた。
が、しかし!
いつの間にか優子が左サイドにポジションをとっていた。
カウンター攻撃が見事に決まり、流れは順平サイドに動いた。
ゲーム終了後。
さっさと引き上げようとする優子を呼び止める順平。
「優子さん・・・優子さんは知ってたんですよね?相手が左サイドを狙ってること。」
「・・・うん・・・」
「じゃあ、どうして僕が右サイドを守ろうって言った時、反論しなかったんですか?」
優子はクスリと笑った。
「口で言っても・・・わからない・・・でしょ?」
ポイント
右サイドへのスマッシュを多く打たれた時、どんな対策をとるか。
ストーリーを読まれた方だったら、
・右サイドスマッシュのレシーブを意識する。
・右サイドへのスマッシュを打たせないための配球をする。
といった単純な話ではないことが、おわかりいただけたかと思います。
相手が右サイドに球を集めているのは、左サイドのエースショットへの布石かもしれません。
だとしたら、相手の本命ショットを警戒するべきですよね。
逆に、偶然こちらの配球がうまくはまって、右スマッシュしか打てていないのかもしれません。
だとしたら、せっかく相手のプレーを制限できているのですから、それを手放すのはもったいないこと。
ちょっと考えただけでも、これだけの仮説が立てられます。
もちろん、もっとあるでしょうし、状況が変わればまた新しい仮説が生まれます。
しかし、実際の試合になると今回の順平君のように、短絡的な判断しかできない人は多いものです。
いかに早い段階で相手を見極められるかは、バドミントンの勝敗に大きく関わってきます。
しかし、常に仮定と検証をする意識がないと、その本質を見抜けません。
的外れな判断をしてしまうことがないよう、注意しましょうね。
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