最近、自分のスマッシュ決定率が低下していることに気づいた順平。
バドミントンプレーヤーとして、由々しき事態だ。
早速、筋トレとフォームの改良に取り組む。
そんな彼が、努力の果てに手にしたのは・・・
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最近、自分のスマッシュ決定率が低下していることに気づいた順平。
バドミントンプレーヤーとして、由々しき事態だ。
早速、筋トレとフォームの改良に取り組む。
そんな彼が、努力の果てに手にしたのは・・・
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その顔に、苦悶の表情が浮かぶ。
これも、体のひねりをフルに使ったスマッシュのためだ。
「順平さん。これ以上やったら体壊しますよ。」
「もっ、もっとだ~!!」
ストレッチが終わった順平。
次は、スマッシュが得意な先輩から個別指導を受ける。
「もっと腰を使え!まだ手打ちになってるぞ!バドミントンは腰だ!!腰で打つんだ!!!」
「はい!!」
「もっと大きく!もっとダイナミックに!!」
「はい!!!」
地獄の練習を積んだことで、自分のスマッシュに自信を持った順平。
ゲーム練習の相手に、レシーブプリンセス優子を指名した。
相手は、男子でさえ一目置く、チーム最強のレシーバー。
考えただけで、ワクワクしてくる。
「優子さん。覚悟してくださいよ!」
ゲーム開始早々、チャンスがやってきた。
辛かった練習の日々を噛みしめ、渾身のスマッシュを打ち込む。
その切れ味に、順平は心の中でつぶやいた。
(ふっ、決まったぜ。)
だが!
優子は、平然とそれを返してきた。
体勢が整っていないせいで反応できない。
シャトルは順平の額に、コツンと当たった。
その後も、チャンスのたびに強打を敢行する順平。
だが、何度打っても結果は同じだった。
しばらくして、コートには大の字で伸びている順平の姿があった。
オーバーワークがたたり、体力を使い果たしてしまったのだ。
目を開けるとそこには、心配そうに順平を覗き込む優子の顔があった。
「大・・・丈夫?」
「燃え尽きました・・・身も心も・・・」
「・・・スマッシュ・・・速・・・く・・・なったね。」
なぐさめの言葉に、胸が熱くなる順平。
いつもより、優子がキレイに見えるのは気のせいだろうか。
だが、そんな甘い時間は、優子の一言で無残に切り裂かれた。
「・・・ムダな努力・・・お疲れ様・・・。」
「えっ!?」
「速いスマッシュが・・・通用するのは・・・バドミントン初心者だけ・・・だよ。」
ポイント
速いだけのスマッシュが上級者に通用しない理由。
それは、初心者と上級者では、プレーの最中に見ているものが違うからです。
バドミントンの経験値が少ない初心者は、シャトルだけを見る「中心視」でプレーしています。
ですから、シャトルのスピードがキャパシティを超えると、目がついていきません。
しかし、上級者は違います。
彼らが使うのは、相手プレーヤー全体を見て、そこから次のプレーを予測する「周辺視」。
そのためスピードだけでは、彼らを惑わすことができないのです。
強く打とうと大きなモーションを取るのは、いわば、相手により多くの情報を与えること。
そのため、いつでも全力でスマッシュを打とうとする初心者は、いわばカモなのです。
普段の練習から、より小さいモーションを心がけましょう。
相手から判断材料を奪うことこそが、上級者への有効策です。
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