上級者はラケットをこう構える!

ラケット

後輩に、ラケットの構え方を教える順平。

指導を受けた後輩も、そのアドバイスに納得した様子。

だが、前衛マエストロ元木は・・・

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後輩を相手にしたゲーム練習が終わった。

ゲームは、先輩の格を見せつけ、相手に自分のプレーをまったくさせない圧倒的な展開に。

昼休み、昼食を共にしながらゲームを振り返る2人。


「さすが順平さんですね。僕、全然歯が立たなかったです。」

「ははは。まあこれから頑張れば良いよ。でも、ちょっと気になることがあるんだけど・・・」

「えっ?」

「君、前衛に入るならもっとラケット上げたほうがいいよ。でないと相手にプレッシャーをかけられないよ。」

「ああ、なるほど。だから順平さんとやるとやりづらいんですね。」


どれだけプレッシャーをかけられるか。

これは、バドミントンダブルスの前衛として、とても重要な役割だ。

愛読のバドミントン教本や、先輩の指導で嫌というほど叩きこまれてきた。


そして、午後のゲーム練習の時間。

相手は前衛マエストロの元木だ。


「元木さん。よろしくお願いします。」

「おう、よろしくな。」

「今日は負けませんよ。」

「・・・それはもう聞き飽きた。それより順平、さっきお前が後輩に教えてたことだけど・・・」


元木の言葉は、ゲーム開始の合図に遮られた。


後輩にも教えた通り、ラケットを上げて元木にプレッシャーをかける順平。


それからしばらくして・・・順平は違和感を覚えた。


元木は、ラケットをそれほど上げていないのだ。

にも関わらず、順平は確かにプレッシャーを感じている。


一方、元木はというとプレッシャーを感じている様子はまるでない。

それどころか、どんどん強気な攻めを繰り出してくる。


結局、ゲームは順平のペアの敗北で終わった。

わけが分からず首をひねる順平に、元木が声をかけてきた。


「なあ順平。さっきの話だけどな。」

「あ、はい。」

「確かにラケット上げてプレッシャーかけるのは大切だけど、それが通用するのは初心者レベルだけだぞ。」

ポイント

よくダブルスを指導するコーチが、


「ラケットを上げてプレッシャーをかけろ!」


と、指導しているのをよく見かけます。


これは、それなりに効果的な指導です。

ただし、「初心者レベルでは」という条件がつきます。


初心者レベルのゲームでは、サーブレシーブはほとんどがロブで返されます。

山なりの返球が多くなるため、ラケットを上げた構えの方がスムーズに返せますし、プレッシャーをかけることもできます。


一方、中級者以上の戦いでは、ロブより滞空時間の短いプッシュが多用されます。

そのため、ラケットを上げたままではシャープな対応ができないのです。


ただ、これは相手のプレースタイルによっても変わってきます。

例えば、相手がヘアピン派の場合だったら、安易に打たせないよう、ラケットを上げてプレッシャーをかける必要がある、と言った具合です。


その時々で、最適な構えを取るようにしていきましょうね。


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