元木とのゲーム練習に必勝を誓う順平。
前衛マエストロを相手に一歩も引かない善戦がつづく。
だが・・・
スポンサード リンク
そのワイパーショットはもう時代遅れだ！
ある日のゲーム練習の時間。
チームメイトたちはざわめきながら、1つのコートに注目していた。
順平ペアと、前衛マエストロ元木ペアのゲームだ。
「おいおい、順平あんなにうまかったのか？」
「あの元木さん相手に全然負けてないぜ。」
「もしかして順平・・・このまま勝っちゃうんじゃ・・・」
尊敬できる前衛のお手本として、バドミントンの先輩として。
常にその背中を追いかけてきた。
だからこそ・・・勝ちたい。
順平はラケットを握り直した。
（ほぅ、ここまでやるか順平。）
元木は追い上げてくる順平に脅威を感じつつも、その成長を喜んでいた。
強いプレーヤーが育ってくれれば、チームとしてはこんなに心強いことはない。
それは歓迎する。
（だが・・・1プレーヤーとしては、まだまだ負けられねえぜ、順平。）
1セットずつ取り合った最終セットもいよいよ終盤。
順平ペアはわずか1点ではあるが、リードを取ることに成功した。
（あと1点取れば！！）
一呼吸おいて、サーブにのぞむ順平。
リターンエースを取らせないよう、細心の注意を払って打った。
お互い手の内は知り尽くしている。
決定打が出ないまま、ラリーは続く。
順平はヘアピンで揺さぶることにした。
放たれたシャトルは、ネットに触れるか触れないかの絶妙のコースに飛んだ。
攻めるならワイパーショット、逃げるならロブ。
元木の打つ手は2つしかない。
（さぁ、どうします元木さん！）
ワイパーショットならラケットを横に振るはずだ。
だが、元木はその準備をする気配がない。
（ロブだ！！）
そう直感した順平は、すかさずバックステップして次のプレーに備えた。
だが！
シャトルはネット前に落ちていた。
元木がラケットを振った様子はない。
「えっ？」
思わず声が漏れてしまった順平。
それを見た元木が、得意げな表情で口を開いた。
「悪いな順平。まだお前に負けるわけにはいかねぇよ。」
ポイント
ラケットをネットと水平に振ってシャトルを打つワイパーショット。
タッチ・ザ・ネットを避けるために、ネット際で使われるショットです。
ただ最近、一流プレーヤーのプレーを見ていると昔ながらのワイパーショットって見かけなくなったと思いませんか？
今の流行は、今回元木がやったように、グリップを指で回して面だけ返して打つタイプのショットです。
このショットのメリットは、従来のワイパーショットよりスイングをコンパクトにできること。
また、ラケット操作がしやすく、より精密なコントロールが可能になります。
バドミントンの技術は日進月歩。
よりスピーディなラリー展開に対応できるよう、ぜひ覚えておきましょう。
スポンサード リンク
関連記事
- 猛攻をしのぎ切るダブルスペアがする練習 ワイパーショット
- 初心者レベルのプッシュを卒業する方法 ワイパーショット
- 強いダブルスペアの前衛はつま先をこう使う ワイパーショット
- ダブルスを知る前衛が待つコース ワイパーショット
- バドミントンダブルスの「負けない」戦い方 ワイパーショット
- 勝てるダブルスペアが余裕のあるときにすること ワイパーショット