ハイバックの精度を上げたい順平。
落下点をしっかり予想して、力み過ぎないようにして・・・
自分なりのポイントは押さえているつもりなのだが、思うような球はなかなか打てない。
そこにやってきた後衛のスペシャリスト大垣は・・・
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ハイバックの精度を上げたい順平。
落下点をしっかり予想して、力み過ぎないようにして・・・
自分なりのポイントは押さえているつもりなのだが、思うような球はなかなか打てない。
そこにやってきた後衛のスペシャリスト大垣は・・・
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しかし、もう少しくらい決まってくれても良いじゃないか・・・
順平はコートに散らばったシャトルを見ながらため息をついた。
もう何十球打っただろう。
しかし、狙い通りの場所に飛んだのはそのうちの数球だ。
「順平ちゃん。もう体育館閉まるってさ。」
そう声をかけてきたのは、後衛のスペシャリスト大垣だった。
日が長いうちは少しくらい遅くなっても大目に見てくれたが、最近は定刻どおりに閉まる。
「はい、バック。」
「あっ、ありがとうございます。」
「順平ちゃん、ハイバックの練習?」
「えっ・・・ええそうですよ。」
「ハイバックの練習お疲れ様だね。はい、バック持ってきてあげたよ。」
「大垣さん・・・2回も言って、むなしくないですか?」
「・・・そう思うんなら、突っ込んでよ、ダジャレ・・・君、バドミントンには熱いのに、他のことは冷たいところがあるよね・・・」
流れ出した気まずい空気。
それを振り払うかのように、大垣が話題を変えた。
「それにしても、よく練習するねぇ。こんなに打ったの?」
「はい・・・でも、なかなか思うようにいかなくて。」
「ふーん。」
「やっぱ練習しかないんですかね。」
「いや。これ以上やっても良い結果にはならないよ。それどころか、やればやるほど下手になる。」
順平はドキリとした。
確かに、やればやるほどハイバックの精度が下がっていたからだ。
その様子を見た大垣の目がキラリと光った。
「順平ちゃん。今から2分でハイバック打てるようにしたら、僕のダジャレ、笑ってくれる?」
「えっ、そりゃもちろん・・・でも、そんなことできるんですか?」
「ふっ、僕を誰だと思ってるんだい?」
「ダジャレのつまらない大垣さん。」
「・・・。」
「あっ、ウソですって。いやぁ、大垣さんのダジャレは和むから好きだなぁ♪バドミントンやるときの癒しですよ。」
大垣の目に涙が溜まりだしたのに気づいた順平は、あわててフォローをかけた。
どうやら機嫌が直ったようだ。
「じゃぁ今からハイバックを安定させる魔法をかけるよ。」
「は、はぁ。よろしくお願いします。」
「はい、これ。」
「えっ?テーピング?」
「うん。右手に巻いて。」
「いや、僕、どこもケガしてないですけど。」
「いいからほら!!」
無理やりテーピングされる順平。
グルグル巻きにされ、手首がほとんど利かない。
「じゃぁいくよ、順平ちゃん。」
「もしかして、これで打ち返せっていうんじゃ・・・」
順平の言葉をさえぎるように、シャトルを打つ大垣。
(ちょっ、ちょっと!!)
打ち返したシャトルは・・・きっちり狙い通りの軌道を描いた。
「で、できた。」
「ほら。約束どおり2分でハイバック打てるようにしたよ。」
「で、できた~!!!」
大垣と手を取り合って喜ぶ順平。
ずっと失敗ばかりしていたことだけに、それが成功した喜びはひとしおだ。
だが、感動のシーンはあっという間に終わりを告げた。
「ちょっといつまでいるんですか?いい加減帰ってくださいよ!」
体育館の職員の声に、あわてて帰り支度を始める2人だった。
ポイント
余裕を持ってシャトルの落下点に入り、しっかりとしたフォームで打つように心がけているのに、ハイバックがうまくいかない。
そんな時、注意して欲しいのが「手首」です。
他のショットと比べてラケットの振り幅が大きいハイバックでは、遠心力に負けて手首が寝てしまいがち。
その時々で手首の角度が変わるため、どこに飛ぶか自分でもわからず自信を持てない。
こんな状態で安定したハイバックなんて、打てるわけないですよね。
手首を立てることは、バドミントンで強いショットを打つための基本です。
ショットが安定しない時は、まっさきに確認しましょう。
もちろん、日々手首を鍛えることもお忘れなく。
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