「バドミントンは足のスポーツ。コートの広さを使って相手を振るのが大切。」
教本の言葉を信じ、相手を揺さぶる配球を心がける順平。
・・・だが順平は・・・この言葉に隠された一番大切なことを見逃していた。
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「バドミントンは足のスポーツ。コートの広さを使って相手を振るのが大切。」
教本の言葉を信じ、相手を揺さぶる配球を心がける順平。
・・・だが順平は・・・この言葉に隠された一番大切なことを見逃していた。
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(なるほど。やっぱりバドミントンは配球が大事だな。)
パタン。
体育館に教本を閉じる音が気持ちよく響く。
最近順平が読んでいるのは、バドミントンの戦術・戦略に関する本。
(要するに相手のいないところを見つけて打っていくってことだろ。カンタンカンタン♪これで今日のゲーム練習はバッチリだ!)
自分の成長に驚くチームメイトたちを想像して、一人にやける順平。
待ちに待ったゲーム練習の時間がやってきた。
今日の相手は・・・前衛マエストロ元木のペア。
いつもコテンパンにされているけれど、今日こそは!!
闘志全開の順平に気づいた元木が声をかけてくる。
「よお、ずいぶん鼻息が荒いじゃねぇか。」
「元木さん。今日こそ負けませんよ。」
「おぉ怖い怖い。まぁお手柔らかに頼むぜ。」
ゲーム開始直後から相手のいないところを積極的に狙う順平。
心持ちか相手もやりにくそう・・・な気がする。
(よし、このままドンドンいくぞ!)
ところが・・・ゲームも中盤に差しかかった頃、順平は首をひねっていた。
相手は最初こそ順平の配球に戸惑っていたが、それも今は感じられない。
(僕の配球に慣れてきたのか?でもあれだけ走ってるんだ。もうじき足が動かなくなるさ。)
ゲーム終盤。
順平はようやく自分の考えが間違っていたことに気づいた。
相手からは疲れた様子がまったく感じられない。
それどころか、疲れているのはこちらの方だ。
足の動かなくなった順平たちから容赦なく点を取る元木ペア。
ゲームが終わって・・・疲労困ぱいの順平に元木が声をかけてきた。
「いいざまだな順平。最初の勢いはどうした?」
「・・・」
息が上がってしまい、声が出ない。
順平が何も言えないのを知った元木はつまらなそうに言った。
「お前らより足を使った俺たちはピンピンしてるのに、お前らはクタクタ。その違いが何なのか、よーく考えてみるんだな。」
ポイント
相手を大きく揺さぶることはバドミントンの基本。
しかし1つのコートに2人が入るダブルスでは、いくら配球を散らしても限界があります。
では相手を揺さぶることは無意味なのかというと、決してそんなことはありません。
ポイントは「止めてから動かすこと。」
ボディヘの攻撃や、相手の上体をのけぞらすショットで体勢を崩した上で、無理な姿勢から走らせる。
「思うように動けないストレス」と「準備なしで急に動かされる」ことで、効果的に相手の体力を奪うことができます。
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