バドミントンの中でも、サーブと並んで大きなプレッシャーがかかるのがサーブレシーブ。
だがご存知だろうか。
ただ知っているだけで、このサーブレシーブを楽にする方法があることを・・・
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一番楽で効果のあるサーブレシーブ
（サーブミスしろ、サーブミスしろ・・・）
ある日のゲーム練習でのこと。
心の中で念じつつ相手のサーブを待つ順平。
どれだけ経験を積んでも緊張する時間だ。
（おっ、ラッキー！）
打たれたのは、甘いとまではいかなくても拾いやすいサーブ。
よしっ、プッシュだ！！
・・・と思ったのだが・・・
力みすぎたのか、ネットに引っ掛けてしまった。
その瞬間、背筋に悪寒が走った。
「何やってんのあんた！！」
「ミ、ミチルさん・・・」
罵声を浴びせてきたのは、ペアを組んでいたサーブレシーブの達人ミチル。
「出だしが遅い！それと力みすぎ！！何やってんのあんた！！！」
「す、すみません。緊張してて・・・」
「そんなことでわたしのハートを捉えられると思っているの？わたしバドミントンが下手な男って嫌いなの。」
（それは別に・・・）
言いかけて口をつぐむ順平。
コートに立つ以上、緊張など言い訳にもならない。
プレッシャーを感じているのは相手サーバーだって同じだ。
・・・だったら、そんなことに負けてはいられない。
気合いを入れなおし、次のプレーに備える。
そんな順平に、ミチルはいくぶん穏やかな口調で言った。
「あんた、そんなに緊張するならとりあえずしっかり返すことからやってみたら？」
「はっ、はぁ。」
「たとえばヘアピンとか。プッシュより楽に打てるでしょ？」
「目の前にサーバがいるのに？打ち込まれちゃいますよ！」
「命令よ！だまされたと思ってやってみなさい！」
「は、はい！！」
「あと・・・」
「あと？」
「『サーブミスれ。』って念じるのはうっとうしいからやめて。口に出てるわよ。」
「・・・すみません。」
ゲーム後半。
ミチルのアドバイス通り、ヘアピンをメインにサーブレシーブにのぞむ順平。
打ち込まれるかと思ったが、その心配は無用だった。
それどころか、しっかりコースを突けば相手が上げてくれて、いつもより楽なくらいだ。
そしてゲーム終了後。
順平はミチルに呼び止められる。
褒めてくれるのだろうか。
「あなた・・・『良いコースにヘアピン。』って念じるのはやめて。うっとうしいから。」
ポイント
さてサーブレシーブですが、意外に有効なのが今回紹介した「ヘアピン」。
サーバが目の前にいるので心配になりますが、相手はプッシュを警戒していることが多いのでその裏をかけます。
しかもプレッシャーを減らせるため、落ち着いてしっかりコースを狙えます。
ただ、中級者以上が相手の場合は「コンビの決定力を左右するサーバーの役割」でも紹介したように、そのままヘアピンを打っても通用しません。
他の球と合わせることで狙いを絞らせないようにしましょう。
それと話は変わりますが。
相手のサーブミスを願うのは消極的なプレーにつながります。
さあ打ってこい、くらいの気持ちを持つようにしましょう。
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