今すぐ鉄壁の前衛になる方法

前衛

抜かれない前衛は相手にとって大きな脅威。

それだけで思い通りのプレーをさせないプレッシャーをかけることができる。

あこがれの鉄壁の前衛・・・実は意外とカンタンになれることは知られていない。

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「ふっ、甘いぞ順平。」


順平のプッシュを叩き落とし、得意顔の前衛マエストロ元木。

快心の一撃だと思っていただけに、大きなショックを受ける順平。

この人は・・・抜けない。


誰だって、m壁のような前衛になってあらゆる球を止めたいと思うもの。

しかし、そうカンタンにはいかないのがバドミントン。

当然相手だって、裏をかこうと考えたプレーをしてくる。

やぱり、元木のような才能と積み上げた経験がなければ無理なのだろうか。


その夜は練習が終わった後、久しぶりにチームの飲み会があった。

酒豪ぞろいのチームなので、飲めない順平はひたすら聞き役に回る。


「元木さんお疲れ様です。」

「おう、順平か。お前も飲め!」

「いえ、僕は・・・それにしても今日もすごかったですね。」

「まぁな。俺くらいになると・・・」


ずいぶん飲んでいるのだろう。

今日の元木はよくしゃべる。

話が長くなりそうだ。

適当に聞き流す順平。

しかし、しばらくすると思わず身を乗り出してしまう話題を切り出してきた。


「お前さ。鉄壁の前衛になりたくない?」

「そ、そりゃなりたいですけど。」

「よしっ、じゃあ今すぐお前を最強の前衛にしてやるよ。」

「い、今すぐって。そんなカンタンになれるものなんですか?」

「おうよ。どうすれば良いかっていうとなぁ・・・」

「はい。」

「取れる球だけ取ることだ。」

「元木さん・・・酔ってますね。」

「バカヤロウ!俺は真面目だ!!嘘だと思うなら次の練習でやってみろ!!!」


その一言を最後に、寝てしまった元木。

取り残された順平は、どういうことか考える間もなく、先輩の注文取りに走るのだった。

ポイント

バドミントンダブルスの前衛で大切なのは全部止めることではなく、「止められる球はしっかりと止め、そうでない球はしっかりと後衛に引き継ぐこと」です。


こうすることによって、前衛を抜けた球は「抜かれた球」ではなく、「後衛の処理する球」になります。

すると相手は実際に前衛が止めた以上に「止められる」「抜けない」印象を持ちます。


また、後衛の立場からすれば、曖昧に広い守備範囲を持たれるより、狭くても確実な守備範囲を持ってもらったほうがやりやすいもの。

自分が打つべき球が明確になり、思い切りの良いプレーができるようになります。

前衛が守備範囲を固めることは、結果的にコンビの総合力を上げることにもつながるのです。


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