ダブルスで勝つためのサーブとは

サーブ

バドミントンダブルスにおいて、それぞれの強みを活かすのと同じくらい大切なこと。

サーバーがコートに立つときに、必ず意識しなければいけないこと。

それは・・・

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「ちょっとちょっと!それは取ろうよ。バドミントンは3球目が大事なんだから。」


順平は後輩をたしなめた。

バドミントンを始めて1ヶ月の彼。

ようやくひと通りのプレーを覚え、先日からゲーム練習に参加するようになった。


真面目な性格で本当によく頑張っている。

だが・・・バックハンドでのレシーブにはまだ課題が残る。


順平は申し訳なさそうにしょげる後輩を見て、少しだけ胸が痛んだ。

人に注意するというのは、あまり気持ちの良いものではない。

だが、今後の彼の成長のためにも、ここは心を鬼にしなければ・・・


「なかなかの先輩ぶりじゃないか、順平くん。」


ゲームが終わって引き上げる順平に声をかけてきたのは、サーブのクリスこと、クリス花柳だった。


「あ、クリスさん。見てたんですか?」

「うん、後輩指導ご苦労だね。」

「・・・はぁ、まあ・・・」

「で、どうだい?彼は。」

「うーん、頑張ってはいるんですが特にバック側のレシーブはまだまだですね。」


そう話す順平にクリスは、怪訝そうな顔をした。


「そりゃわかるんだけどさ、君はそれに対して口を出しただけかい?」

「えっ?ま、まあそうですね。」

「そうか。君もまだまだ後輩指導に課題がありそうだね。」

「ど、どういうことですか?」

「これからレシーブが苦手なパートナーと組まなきゃいけないときが出てくるよね。もちろんアドバイスは大切だけど、実際のゲームでもただやられるのを黙って見てるのかい?」


そう言うとクリスは立ち上がった。


「どうだい順平くん。僕が彼と組むからあとで1ゲームしないかい?」


全体練習終了後、ゲームはクリスのサーブから始まった。

レシーバーは順平。


バックハンドレシーブに不安のある後輩に打ち込めれば楽勝のはずだった。

だが、サーブのコースが厳しく、それができない。


(クリスさんが言いたかったのはこれか!)


改めてサーブの奥深さを知る順平であった。

ポイント

以前、「良いサーバーと悪いサーバーはここが違う」と題して、サーバーは良いサーブを打つだけでなく、パートナーと呼吸を合わせることが大切というお話をしました。

今回はもう一歩踏み込んだ内容です。


バドミントン、特にダブルスでは相手のレシーブを見越したサーブを打つことが重要。

パートナーに十分なレシーブ力がない場合はなおさらです。


サイドライン側へのサーブはクロスで返球するのがセオリー。

角度のついたクロスの返球が多くなりますので、パートナーはそれをバックハンドで拾うことになります。

今回のストーリーのように、バックハンドが苦手なパートナーと組むのであれば、この展開は避けなければなりません。


これを解消しているのが今回のクリスのサーブ!

サーブをセンター寄りに打つことで、バックハンド側に返球をされるのを抑えることができるのです。


思い通りのコースにサーブが打てるようになったら、次のステップとして第3打をコントロールするサーブを意識してみてください。

それこそが、ダブルスで勝つためのサーブです。


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