どれだけ打ち込んでも粘り強く返してくる相手ほど厄介なものはない。
こちらが打ち疲れたときを虎視眈々と狙われるのは大きなプレッシャーだ。
しかし、厄介・苦手で片付けていては勝つことはできない。
そんな相手を前に順平と大垣は・・・
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どれだけ打ち込んでも粘り強く返してくる相手ほど厄介なものはない。
こちらが打ち疲れたときを虎視眈々と狙われるのは大きなプレッシャーだ。
しかし、厄介・苦手で片付けていては勝つことはできない。
そんな相手を前に順平と大垣は・・・
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順平は初めての優勝を前に、興奮していた。
バドミントンを始めて半年。
もちろんシャトルを打つだけで楽しい。
しかし、もしこのゲームで勝てたら・・・
そう考えていたのは数分前。
今は、思わぬ苦戦を強いられていた。
第一印象はズバリ「地味なコンビ」だった。
サーブが良いわけでも、特別攻撃力があるわけでもない。
正直、どうしてここまで勝ちあがってきたのかもわからなかった。
しかし、しばらくするとその理由がわかってきた。
彼らの守備力は突出していた。
どんな球も丁寧につなぎ、こちらの隙を見逃さずピンポイントで攻めてくる。
今まで対戦したことのないタイプを相手に順平は戸惑った。
後衛のスペシャリスト、大垣もやりにくそうだ。
「なかなかやっかいな相手に当たっちゃったね。」
「ですね。これだけ打ち込んでるのに微動だにしないなんて・・・」
「全くだね。でもどうする?感心してるだけじゃ勝てないよ。もちろん監視してもダメ。」
「・・・監視はしませんが、何か具体的な突破口が欲しいですね。」
「順平ちゃん・・・最近冷たいね(泣)。」
冗談はともかく、このままではズルズル行ってしまう。
何とかしなければ。
順平の中に焦りが芽生える。
それを感じ取ったのだろうか。
大垣が口を開いた。
「順平ちゃんはこういう相手、初めてだよね。いい機会だから攻略法を伝授してあげるよ。」
「攻略法・・・ですか?」
「久しぶりだからうまくいくかわからないけど・・・」
「えっ?それでうまくいくんですか?」
「まぁまぁ、だまされたと思って。」
そして再開されたゲーム。
順平たちは積極的にローテーションを使い出した。
相手の隙をついてはめまぐるしく前衛と後衛が入れ替わる。
しばらくすると、少しずつではあるがこちらの攻撃が決まるようになってきた。
なぜかはわからないけれど、うまくいってる!!
そして・・・会場には表彰式で涙ながらに賞状を受け取る順平の姿があった。
小さな小さなオープン大会の優勝。
しかしそれは、これまで努力を重ねてきた者にとって、何よりの勲章だった。
ポイント
ローテーション。
前衛と後衛が入れ替わるこの動作は、主にフォーメーションを崩されてしまった際にそれをフォローするために行われる、いわば守備の救援策です。
しかし、使い方によっては攻撃の幅を広げる有効な手段にもなります。
攻撃面でのローテーションのメリットは、相手にこちらの攻撃に慣れさせないこと。
そして、メインで攻撃するプレイヤーが交代することで、体力を回復できることです。
ここで1つ大切なことがあります。
それは、守備のためのローテーションと攻撃のためのローテーションは意味が違うということ。
実戦できちんと機能するよう、普段から両方のローテーションを練習しておくことが大切です。
守備力の高い相手に一発は効きません。
しかし、ローテーションの活用と粘り強い連続攻撃を意識することで、活路が見出せるのです。
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