攻撃は最大の防御なり。
これはバドミントンに限らず、あらゆる勝負事の真理である。
しかし、攻めているように思っていても、そこには意外な落とし穴が・・・
今回の順平はそんな勝負の奥深さを痛感することになる。
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後衛が攻めている時こそ注意するべきポイント
ポトリ。
最後の1球は、あっけなくネット際に落ちた。
ゲームセット・・・負けた。
順平は腑に落ちなかった。
競り負けたならまだあきらめもつく。
だが、今日のゲームは何だったんだ。
先日新しくチームに加入したメンバーとのゲーム練習。
終始、こちらがリードを保っていたにも関わらず、終わってみれば僅差の負け。
しかもどれも先ほどのように、たまたま決まったようなショットによる失点。
「いやぁ、順平さんハードヒッターですね。運が良かったなぁ、僕。」
そんな相手の謙虚ささえ憎らしい。
そんな煮えくり返る思いを抑えるのが精一杯の順平。
「順平ちゃん、ダメだよそんな怖い顔しちゃ。」
コートを出ると、後衛のスペシャリスト大垣が声をかけてきた。
「あ、大垣さん。僕、そんな顔してます？」
「してるよー。もうダジャレも通じないような顔してるって。」
それはそれで良いことだ。
これからは今の顔でいこうかな。
などと考えてしまった順平。
だが、大垣の言葉にハッとさせられた。
「順平ちゃん、どうして今日負けたかわかる？」
「運が悪かったからですよ。あんなに打ち込んだのに！！」
順平の返答に首をひねる大垣。
普段滅多に見せない顔つきだ。
「順平ちゃんがそう思っている限り、彼には勝てないね。」
「えっ？」
「順平ちゃんは打ち込んでいるつもりだろうけど、打たされてるよ。」
「打た・・・されてる！？」
「後衛に入るんだったら、攻撃しているのか、攻撃させられているのか、見極めないとダメだよ。」
ポイント
ドライブ、スマッシュが得意な後衛と組むのは心強いものです。
しかし、そんなハードヒッターにも天敵がいます。
それが、今回登場した「攻撃をかわせるタイプ」。
彼らは一見、押されているように見えますが、強いショットを力で押し返さず、うまく体全体で吸収します。
そして、相手のリズムを崩し、隙をついてくるのです。
いくら打ち込んでも離せないと思ったら、自分の攻撃が一本調子じゃないかチェックしてみましょう。
バドミントンは、頭に血がのぼったら負けですよ。
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