なぜ初心者のドライブは浮いてしまうのか

ドライブ

ネットすれすれの高さで、床と平行にシャトルを飛ばすショット「ドライブ」。

特にバドミントンダブルスにとっては、中軸とも言えるショットだ。

このショットを継続して打てるかは、後衛の安定感に関わってくる。

だが順平は・・・

スポンサード リンク


バシッ

力強いスマッシュが突き刺さった。

浮いたドライブを叩きこまれてしまったのだ。


口ではドンマイと言っているが、明らかに不満そうな表情のペア。

心の中で深々と頭を下げる順平。


前々からわかってはいた。

1本、2本ならば打てるが、それ以上になるとドライブが少しずつ浮いてくる。

また、徐々に球威も落ちてくる。


順平はそれを自分の筋力不足だと認識していた。

打っているうちに、腕が疲れてコントロールが甘くなっているのだと。

毎日腕立て伏せしてるし、いずれは安定したドライブが打てるようになるはず。

心に言い聞かせる順平。


「順平ちゃーん、おはこんばんちは。」


1人居残り練習を続ける順平に声をかけてきたのは、後衛のスペシャリスト、大垣。


「あ、大垣さん。まだいたんですか?」

「まだいた大垣が、ネットをまたぎました、と。」


ネットをまたいでVサインを決める大垣の姿は、見ているこっちが恥ずかしい。

そんなダジャレのために・・・

順平は呆れるのを通り越して、尊敬の念をおぼえた。


「聞いたよ順平ちゃん。ドライブのミスを打ち込まれたんだって?」

「・・・はい。もっと腕力つけないとダメですよね。」


思っていたことを口にする順平。

だが、大垣の反応は意外だった。


「腕力はあるに越したことはないけど、ドライブの安定とはあんまり関係ないと思うよ。」

「えっ?」

「そうだ順平ちゃん。バスケットボールやろう。せっかく体育館にいるんだし。」

「えっ?バスケ・・・ですか?」

「いやぁ、懐かしいなあ。学生の時以来かも。」


なぜかバスケットをやることになってしまった順平たち。

最初は難色を示していた順平だが、久しぶりということもあってはまりだした。


それから1時間後、大垣はプレーを止めた。


「じゃあ順平ちゃん、ドライブ打ってみようか。きっと打てるようになってるよ。」

「はい!?」


バスケットボールをラケットに持ち替え、コートを挟んでドライブの打ち合いを始める2人。

それまで数回か打つと乱れていた順平のドライブは・・・何本打っても安定したままだった。

ポイント

バスケットボールのドリブルを思い出してみてください。

ボールを床に向かって、ヒジから下で押し出しますよね。


バドミントンのドライブが乱れる主な原因は、肩を使って大振りしてしまうことです。

すると、勢いはつきますがスイングが大きくなってしまい、コントロールが乱れてしまうのです。

思い当たる方は、ヒジから下でコンパクトなスイングができているか、チェックしてみましょう。


また、脇をしめて、打った反動でラケットを引き戻す弾くような打ち方にすると、さらに安定したドライブが打てるようになります。


スポンサード リンク

関連記事