決まらないスマッシュはここを直せ

スマッシュ

スマッシュはスピードやパワーより角度が重要というのはよく言われること。

確かに高低差のあるスマッシュはレシーバーにとって大きな脅威だ。

もちろん順平も心がけてはいる。

しかし・・・

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「角度のあるスマッシュは、たとえスピードはなくても拾いにくいものです・・・なるほど。」


今日もバドミントンの教科書を片手に体育館に向かう順平。

その姿はバドミントンプレーヤーというより受験生である。


最近、順平には気になることがあった。

スマッシュが思うように決まらないのだ。


パートナーのおかげでせっかく上がったチャンスボールが1発で決められない。

チームの他のメンバーと比べてスピードや角度が劣っているようにも見えない。

むしろ角度で言えば、チーム内でもかなりあると思っている。


今日も1番乗りの順平は、いつものように自主トレを始めた。

しばらくすると、誰かがやってきた。

後衛のスペシャリスト大垣だ。


「あ、順平ちゃん。今日も早いね。」

「大垣さん、こんにちは。」

「何?1人でサービスの練習?さーびすぃね~(寂しいね)。」


寒い、寒すぎる。

いくら先輩だからといってここまで寒いダジャレはフォローできない。

そんな順平の胸の内を知ってか知らずか、大垣は話を続けてきた。


「どうしたの?何か浮かない顔をしてるね。」

「・・・実は・・・スマッシュが決まらなくって。」

「ああ、あれか。そりゃあんな打ち方してたら拾われるに決まってるよ。」

「えっ?原因わかるんですか?」

「そりゃそうだよ。僕は後衛のスペシャリストだよ。どう?誰もいないし、ちょっとだけ僕とゲームしない?」

「えっ?今からですか?そんな突然・・・」

「ちょっとだけだから、ね。」


着替えもせずにコートに入る大垣。

しばらく打ち合っていると大垣に強烈なスマッシュを打ち込まれた。

胸元をえぐる強打に反応できない順平。


「ああ、やっぱ大垣さんのスマッシュはすごいですね。」

「・・・次、いくよ。」

「は、はい。」


また強烈なスマッシュが打ち込まれた。

同じくらい角度とパワーのあるスマッシュだったのに・・・なんとか拾うことができた。

あれ?


「最初に打ったのが決まるスマッシュ。次に打ったのが今の順平ちゃんのスマッシュだよ。」


大垣は威厳あふれる態度で言った。

ただ・・・ジーンズのチャックは全開だった。

ポイント

いくら速いスマッシュでも、腰より低い位置だと意外に拾えるもの。

逆に、速いほど当てるだけでそこそこ飛ぶので、レシーブもカンタンになります。


ある程度速くて角度のあるスマッシュが打てるようになると、自信が出てくるので足元を狙ってしまいがちです。

しかし、少し上手いレシーバーが相手だと通用しません。


ラケットを持つ手の肩、胸元はそれほどスピードや角度がなくても拾いにくいコースです。

もし、最近スマッシュが決まらなくなってきたと思ったら、このことを思い出して振り返ってみましょう。

相手の嫌がるところを狙うのはバドミントンの鉄則ですよ。


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