ネット際の攻防でしのぎを削るバドミントンダブルスの前衛。
1点でも多く取れるよう、アグレッシブなプレーをしなければならない。
だが、前衛のプレーには、常にタッチザネットのリスクがつきまとう。
順平もまた、このリスクにどう立ち向かうかを考えていた。
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ネット際の攻防でしのぎを削るバドミントンダブルスの前衛。
1点でも多く取れるよう、アグレッシブなプレーをしなければならない。
だが、前衛のプレーには、常にタッチザネットのリスクがつきまとう。
順平もまた、このリスクにどう立ち向かうかを考えていた。
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少しでも速いタッチができれば、それだけ攻撃が優位になる。
もともとの素質もあるのだろう、順平のネット際でのタッチはかなり速い。
これはチームの誰もが認めるところだ。
しかし、いかんせんタッチザネットが多すぎる。
それでも最初の頃は、ネットを恐れずトライを続けてきた順平。
だが、あまりに反則が取られたトラウマか、最近ではネット上の微妙な球には安全策をとるようになっていた。
自分のゲーム練習が終わり、コートを出る。
今日も負けてしまった。
原因は、ネット際のショットを積極的に叩けなかったこと。
やはり前衛が攻め気をなくしてしまうと、ペアも機能しない。
それはわかっているが・・・
ふととなりのコートを見ると、今から前衛マエストロ元木のペアがゲーム練習に入るところだった。
これまで何千、何万回とネット際のシャトルを処理してきた彼なら、こんな時どうするだろう。
そして始まったゲーム。
相手は、本木さえいなけば前衛マエストロを名乗れるほどの実力者。
ネットギリギリのきびしい攻めには定評がある。
試合はさすが上級者同士と思える、手に汗を握るハイレベルな応酬が続く。
ヘアピンのコントロールも、プッシュのキレも、順平とは天と地ほどの差がある。
両者一歩も譲らないまま迎えたゲーム終盤。
相手が今日一番のヘアピンを打ってきた。
これでは、どんなにコンパクトなスイングをしてもネットに触れてしまう。
が、しかし次の瞬間。
シャトルは相手コートに落ちていた。
そして、タッチザネットは・・・取られなかった。
順平ははっきりと見ていた。
元木はネットと水平にラケットを振っていた。
「ワイパーショット」だ。
話には聞いていたが、実際に見るのは始めての順平。
「あれが、前衛マエストロの真骨頂か。」
それ以上、言葉が出ない順平であった。
ポイント
ミスがそのまま失点につながる、今のバドミントンのラリーポイント制。
タッチザネットのリスクは、できれば冒したくないもの。
しかし、ネット際に浮いた球は絶好のチャンスボール。
これを決められるか、決められないかはその後のゲーム展開に大きく関わってきます。
そこで使われるのが今回ご紹介した「ワイパーショット」。
これを身につけていると、ネット際での前衛の仕事にグッと幅が出てきます。
ワイパーショットのコツは腕全体は使わず、ヒジから上でコントロールすることです。
バックハンドの方がやり安いですが、フォアでもできるよう頑張りましょう。
ちなみに、たとえラケットがネットを超えてしまっても、それがインパクトの後ならばタッチザネットは取られません。
これを利用して、ワイパーショットも、ネットと完全に水平ではなく、触れない程度に斜め前に振ると飛びやすくなりますよ。
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