効果的なサーブを求め、今日も順平の練習はつづく。
手のひらにマメができては潰す毎日を繰り返し、ようやくそれなりのサーブが打てるようになってきた。
しかし、サービスエースはなかなか取れない。
順平は、自分に足りないものを見つけ出すことができるのか。
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効果的なサーブを求め、今日も順平の練習はつづく。
手のひらにマメができては潰す毎日を繰り返し、ようやくそれなりのサーブが打てるようになってきた。
しかし、サービスエースはなかなか取れない。
順平は、自分に足りないものを見つけ出すことができるのか。
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順平は誰もいない体育館でつぶやいた。
誰よりも早くきて、誰よりも遅く帰る練習の毎日。
人より時間はかかったが、ようやくコントロールも上がり、良い軌道のサーブが打てるようになってきた。
ただ、それでもサービスエースは取れない。
「ああ、クリスさんみたいにカッコ良くサービスエースが取りたいなぁ。」
「呼んだかい?」
突然の声にビックリして振り向くと、そこにはサーブのクリスこと、クリス花柳が笑顔で立っていた。
手にはコンビニの買い物袋をぶら下げている。
「クリスさん、どうして・・・」
「君のことが気にかかってね。ハイッ差し入れ。」
汗を拭き、クリスの買ってきてくれたオニギリを頬張る。
時間も遅い。
お腹も空くわけだ。
「どうやらだいぶ困っているようだね。」
「はい。僕のサーブってどこか悪いところありますか?」
「えっ?いや、だいぶ良くなったと思うよ。」
「じゃあどうしてクリスさんはサービスエースが取れるのに、僕は取れないんですか?」
ふふん。
クリスは鼻で笑った。
人をバカにした態度にムッとする順平。
「何がおかしいんですか?」
「ゴメンゴメン。いやぁ、順平くんらしいなぁと思って。」
「ひどいですよ、こっちは真剣なのに。」
その瞬間、クリスの顔がピッと引き締まった。
思わずつばを飲む順平。
「そうかわかった。じゃあ真剣に対応しようじゃないか。コートに入りたまえ。」
「は、はい。」
ラケットを持ってコートに入る。
クリスがゆっくりと動くのを見て順平がレシーブ体勢に入った。
一瞬、クリスの目線が左に動いた。
左だ!
力強く一歩を踏み出す順平。
だが、シャトルは全く逆にポトリと落ちた。
「も~~、ズルいですよ~!」
思わず笑う順平。
だが、クリスは笑わなかった。
「何がズルいんだい?」
「えっ、あっ、いや、その・・・」
「真剣勝負にズルも卑怯もないよ。ルールになくて犯罪じゃなければどんな手を使ったっていいんだ。」
ポイント
バドミントンのサーブにはさまざまなルールがあります。
テニスのように強いサーブを打つこともできなければ、動作を途中でとめることも、2度打ちもダメです。
そのせいか、効果的なサーブを打つ方法は、コースを打ち分けることくらいしかないと考えられがちです。
しかし、バドミントンのルールに従った上でできることはまだまだたくさんあります。
たとえば目線を使ってみる。
たとえば時間をいっぱいいっぱいに使って相手のリズムを崩してみる。
たとえば・・・
相手が嫌がること、自分だったらやられたくないことを徹底的に考えてみましょう。
自分で考え、貪欲に吸収したものだけがあなたの武器になります。
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