教え子の上達イメージを膨らませる方法

上達

バドミントンの上達には、しっかりとした目標と、それを実行するための計画が大切です。

そして、それと同じか、それ以上に大切なものがあります。

それが・・・「ビジョン」です。

将来自分がどうなっているか。

これを明確にイメージできるかできないかで、プレーヤーの上達には天と地ほどの差が出てきます。

あなたは教え子たちのビジョンを引き出せていますか?

それでは今日のストーリーをどうぞ。

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誰もいない進路指導室でふたりは長い時間を過ごしていた。

ひとりはバドミントン部の顧問 岡崎。

そして、もうひとりは部長の岸田だ。

岸田の話は止まらない。


「だいたい最近の後輩は欲がなさ過ぎるんです。」

「欲?面白そうだな。詳しく話してみてくれないか。」

「この前も、『お前はどんなプレーヤーになりたいんだ?』って聞いてみたんですけど、全然しゃべってくれないんです。」

「いきなりそんなこと聞いたのか?」

「いや、前振りくらいしますよ。『練習うまくいってるか?』とか、『もうすぐ試合だな。』とか。」


岡崎はすっかり冷めてしまったお茶をすすった。

・・・まずい。


「お前さ。今日の夕飯、何食べたい?」

「は?」

「いや、だから何食べたいんだよ?」


岡崎はさらに一口、お茶をすすった。

そして、あっけにとられる岸田をよそに話を続ける。


「思い浮かばないか・・・じゃあ昨日の夕飯は何食べた?」

「・・・昨日ですか?みそ汁とおひたしとアジの開きです。」

「へぇ。和食なんだ。じゃあその前は?」

「うーん、覚えてないけど同じような感じだったと思います。うち、和食党なんで。」

「なるほど。たまには洋食も食べたいんじゃないか?」

「そうなんですよ。僕、ハンバーグが大好きで・・・あっ!!」


勘のいい岸田は何かをつかんだようだ。

岡崎はそれを横目で見ながら、少しだけ残っていたお茶を飲み干した。

ポイント

あなたはこの会話から何をつかみましたか?


岡崎先生が最初に焦点を当てたのは、彼の未来ではなく過去です。

未来に関連した、できるだけ直近の過去を聞き、少しずつ遠い過去へさかのぼる。

そして、引き出したい未来に関連したイメージができあがったところで大きく未来に焦点を当てる。

こうすると、比較対象があるためイメージがふくらみやすいのです。


バドミントンだったら

「今、自分が一番得意としているプレーは何か?」

「今年一番テンションの上がったこと、下がったことは何か?」

「そもそも、どうしてバドミントンを始めたのか?」

「ところで、今はどんなプレーヤーになりたいのか。」


というような感じでしょうか。

ビジョンだけでなく、相手の過去も共有できるため、より深い関係を築くことができますね。


相手に、そして自分に。

ぜひこのテクニックを使ってみてください。

今まで知らなかった意外なビジョンが見えてくるかもしれませんよ。


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