程度の差はあれ、どんなチームにも必ず存在するのが「温度差」。
その差が大きくなると、練習やチームの人間関係にまで影響が広がってしまいます。
バドミントンの指導をしていれば、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
一言で温度差と言っても、その原因・程度は様々。
残念ながら、絶対的な解決方法は存在しません。
しかし、どんな方法を取るにしても、ひとつだけおさえておきたいポイントはあります。
ストーリーをどうぞ!
スポンサード リンク
程度の差はあれ、どんなチームにも必ず存在するのが「温度差」。
その差が大きくなると、練習やチームの人間関係にまで影響が広がってしまいます。
バドミントンの指導をしていれば、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
一言で温度差と言っても、その原因・程度は様々。
残念ながら、絶対的な解決方法は存在しません。
しかし、どんな方法を取るにしても、ひとつだけおさえておきたいポイントはあります。
ストーリーをどうぞ!
スポンサード リンク
岡崎は職員室の窓から外を見ていた。
外は寒そうだ。
今日の夕飯は温まるものが食べたいな。
そんなことを考えていると、岡崎に声をかけてくる生徒が現れた。
バドミントン部の2年生 北川である。
トップアスリート並のストイックさで日々厳しい練習をこなしている。
「先生、ちょっとお話があるんですけど。」
「何だ?改まって。」
「部員の温度差を解消したいんです。」
真剣な表情の北川を見て、岡崎の顔が引き締まった。
「たとえば?」
「最後まで食らいつこうとする気迫がなかったり、練習でも真剣さが伝わってこなかったり、とにかくイライラするんです。」
自分の思いを情熱的に語る北川。
だが、岡崎の返答を聞いて目が点になった。
「そうか、だったらお前が向上心を捨てろ。」
「はい、わかり・・・ってちょっと無茶言わないでくださいよ。」
思わずのけぞる北川。
まったく気にする様子もなく話を続ける岡崎。
「なんだ、嫌か?」
「当たり前です!!」
「そうだよな。積み上げた自分を捨てるっていうのは、誰だって嫌だよな。でも、それがわかれば、あいつらの立場もみえてくるんじゃないか?」
「えっ?」
「お前ががんばっている自分を捨てたくないのと同じで、そいつらも自分を守りたいんだ。立場が逆になっただけで根本は同じさ。」
「いや、でも自分で部活に入ったわけだし、そんなのおかしいです!」
「俺なら怖いな、全力でやって負けるのが・・・本気で取り組んで結果が出ないのが。」
「・・・」
しばらくの沈黙の後、岡崎は話を切り出した。
「お前、数学嫌いだよな?」
「はい。」
「で、お前が数学を勉強しないから俺がイライラするって言われたらどうする?」
「ハァ?って感じです。あんなものが人生で何の役に立つんですか?」
「ははは。じゃあ俺がお前の数学を嫌いな理由をトコトン聞いた上で、俺が教師になるほど数学を好きな理由を伝えたら?」
「うーん。話を聞かないことにはなんとも言えませんけど・・・少なくともその楽しさを理解したいとは思います。」
北川はどこか晴れ晴れとした顔で職員室を出ていった。
しかし、岡崎の気持ちは複雑だった。
明日の数学の時間に、赤点だった北川に追試を言い渡さなければいけないからだ。
ポイント
人間がふたり以上集まれば、そこには必ず温度差が生まれます。
その理由は今回のストーリーでも触れたように、とても複雑です。
それを理解しようともせず、相手に変化を望めば、失敗は火を見るより明らかです。
また、人間には普段意識しない「潜在意識」があります。
その潜在意識には、自己防衛本能から
「できる限り今と同じ自分を保とうとする」という性質があります。
新しいことが面倒だったり、長続きしないのはこのためです。
「温度差を何とかしたい」という考えは、相手だけに変化を押しつけるアクションです。
そこで「どうしたら●●とチームが良い関係を結べるだろうか。」と考えたらどうでしょう?
間違えたスタートからは間違えたゴールにしかたどり着けません。
正しいスタートを切れるかは、優れた指導者の大切な資質です。
自分のスタートはどうか、もう一度振り返ることをオススメします。
スポンサード リンク