バドミントンに限らず、一度苦手意識を持ってしまうと、それを払拭するのはなかなか大変です。
何事もなくできていたことにも影響が出てしまい、スランプを引き起こしてしまう可能性さえあります。
指導者としての腕の見せどころです。
もし、あなたが指導者の立場だったら、苦手意識を持ってしまった教え子に、どんなアドバイスをしますか?
自分なりの回答が用意できたら、ストーリーをご覧ください。
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バドミントンに限らず、一度苦手意識を持ってしまうと、それを払拭するのはなかなか大変です。
何事もなくできていたことにも影響が出てしまい、スランプを引き起こしてしまう可能性さえあります。
指導者としての腕の見せどころです。
もし、あなたが指導者の立場だったら、苦手意識を持ってしまった教え子に、どんなアドバイスをしますか?
自分なりの回答が用意できたら、ストーリーをご覧ください。
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岡崎は、職員室であくびをかみ殺していた。
(どうして雨が降ると眠くなるんだろうなぁ。)
そんな午後の昼下がり。
「先生・・・ちょっと話を聞いて欲しいんですけど。」
声をかけてきたのは、バドミントン部の1年 柳川だった。
「ん?どうした、柳川?」
「俺、どうして守備型の相手に弱いんでしょう?」
レシーブ力に定評のある柳川。
ドンドン攻めてくる相手にはめっぽう強いのに、じっくり待たれると意外なほどあっさり負けてしまう。
先日の練習試合でも、自滅に近い負け方をしてしまった。
どうやら相当ショックを受けているようだ。
「俺、これからもそういう相手にはずっと勝てないんでしょうか?」
「おいおい、そんな悲観的になるなよ。」
ますます落ち込む柳川を見て、岡崎は質問に入った。
「じゃあ聞くけど、お前がいつも負ける相手は、これまで一度も負けたことがないのか?」
「そんなことはないです。」
岡崎は質問を続ける。
「お前がいつも負ける相手に勝つ奴って、オリンピック級の選手か?」
「そんなことないです。」
「そいつらのやってることって、そいつらにしかできないことか?」
「そんなことはないと思います。どんなに拾われても、焦らずに攻め続けるから勝てるんじゃないかと・・・」
「特別なことじゃないんだったら、お前にだってできるよな。同じ高校生なんだから。」
「でも先生、俺は・・・」
口を挟もうとする柳川の言葉をさえぎり、岡崎はさらに話を続けた。
「お前、自分のスタイル捨てろって言われたと思ってる?」
「えっ?違うんですか?」
「お前のレシーブは世界レベルだ。捨てる必要なんてない。ただ、攻撃もできるようになればいいだけだ。」
「はぁ・・・」
「捨てなくて良い。足すだけだ。」
それまで暗かった柳川の目に光が戻ってきた。
外は雨がやんだようだった。
暗い雲の隙間から、日の光が見える。
それは柳川の心に差した一筋の光のようだった。
ポイント
苦手意識は恐ろしい力を持っています。
しかし、技術的・体力的なことと違い、ほんの小さなきっかけさえあれば、指導者の力で解決できる問題でもあります。
でも
「こうすれば良い」
と理屈ではわかっていても、なかなか思う通りにいかないのも人間。
自分を変えたくないという思いは、新しいことや挑戦にブレーキをかけます。
しかし、変えるのではなく足すのだ、という発想があれば意外にすんなり受け入れることができるようになります。
分かりますか?
プレイヤーのアクセルを踏んで前に進めるのは普通のコーチ。
まず、ブレーキを緩めるられるのが一流のコーチなのです。
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