指導者にとって、新しいメンバーとの関係づくりは、その教え子だけではなく、チーム全体の雰囲気にも影響する大切な仕事です。
さて、新メンバーと接するにあたり、ひとつ肝に銘じていただきたいことがあります。
それは、新人はもちろんのこと、付き合いの長いメンバーに対しても、たった一言でそれまでの信頼を壊しかねない「禁句」があるということです。
それでは本日のストーリーをどうぞ。
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指導者にとって、新しいメンバーとの関係づくりは、その教え子だけではなく、チーム全体の雰囲気にも影響する大切な仕事です。
さて、新メンバーと接するにあたり、ひとつ肝に銘じていただきたいことがあります。
それは、新人はもちろんのこと、付き合いの長いメンバーに対しても、たった一言でそれまでの信頼を壊しかねない「禁句」があるということです。
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体育館では、2年たちが1年生をしごいていた。
1年たちも、もうすぐ先輩と呼ばれる立場になることを自覚しているのだろう。
顔つきは真剣そのものだ。
そんな体育館に突然、怒鳴り声が響き渡った。
新キャプテンとしてバドミントン部を率いる川上だった。
1年の今村が、とれそうなシャトルをあきらめたことに対して怒っていた。
テクニックはあるのだが、淡白な性格であきらめが早い今村。
何度も指摘されているのだが、改まる気配はない。
部を引っ張らなくては、という自覚もあったのだろう。
今日の川上の口調は、いつになくきつかった。
しかし顧問の岡崎は、特に気にした様子もなく、それを見ていた。
やがて、川上は今村に背を向けて一言、小さな声でつぶやいた。
「お前、ほんまにむかつくよなぁ。」
その瞬間、それまで静かだった岡崎の態度が豹変した。
川上に詰め寄り、大声で怒鳴りつけたのだ。
「お前はなんてことをいうんだ!」
普段温厚な岡崎がなぜそこまで怒るのか。
理解できず動揺する川上。
他の部員たちも唖然としている。
やがて、岡崎は咳払いをしていった
「急に怒鳴ったりしてすまなかった。でも、相手を感情で否定する言葉だけは絶対にいっちゃダメだ。」
「・・・」
2年たちがざわめきだした。
普段、つい使ってしまいそうな言葉だけに、自分も使った覚えがあるのだろう。
そんな部員たちをしっかりと見ながら、岡崎は話をつづける。
「怒るななんていわない。多少ヒートアップしても良い。でも、感情の言葉だけは使わないでくれ。」
ポイント
「うまくいった」という事実を示す言葉と
「やったー、めっちゃうれしい!!」という感情を示す言葉。
口に出して、気持ちが高ぶるのはどちらでしょう。
「何度同じことをいわせるんだ。」という過ちへの指摘と、
「お前は本当にむかつく奴だ。」という相手の人格への感情攻撃。
いわれて辛いのはどちらでしょうか。
感情を示す言葉は、あなたが想像するよりはるかに強い力を持っています。
特に、指導者が発する感情は、立場の力も加わって、プレイヤーに深刻なダメージを与えます。
それが元でメンタルバランスが崩れてしまい、バドミントンができなくなってしまうことだって、ないとはいえません。
もし、そんなことがあったら、あなたは責任を取れますか?
心に刻んでください。
指導者とは、自分が発する言葉の全てに責任を持てる者のことをいいます。
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