積極的なプレーができずに苦しむ、社会人チームの新人メンバー順平。
そんなある日、彼が見たのは、前衛マエストロこと、元木の不可解な練習だった。
果たしてその練習法とは・・・
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積極的なプレーができずに苦しむ、社会人チームの新人メンバー順平。
そんなある日、彼が見たのは、前衛マエストロこと、元木の不可解な練習だった。
果たしてその練習法とは・・・
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新品の肌触りが心地良い。
今日、重点的に練習しているのは前衛のプッシュだ。
貴重なチャンスをムダにしないために、もっともっと決定力をあげていかなければいけない。
そうは思っているのだが・・・決まらない。
コースを変えたり、力いっぱい打ったりしているつもりなのだが、やっぱり決まらない。
原因はわかっていた。
ネットが怖いのだ。
数日前、少しでも速いタッチでプッシュを落とそうとしたプレ-で、ことごとくタッチザネットを取られた。
さらに間が悪いことに、その失点が原因でゲームを落としてしまったのだ。
もどかしい。
トイレから戻ると、「前衛マエストロ」元木が不思議なことをしていた。
どうやらスピンネットの練習をしているようだが、すべてネットにかかってしまっている。
隙
普段の本木は、実戦でもこんなミスショットは打たない。
それを練習で失敗しているというのは・・・スランプだろうか。
順平はたまらず声をかけた。
「あの、元木さん、なにしてるんですか?」
「おう順平か?見ての通りスピンネットの練習だよ。なんでネットにかかってるかって?しょうがないなぁ~。教えてやるけど誰にも秘密だぞ。」
「いえ、僕はまだ何も・・・」
元木は頼みもしないのに勝手に説明を始めた。
自分は秘密主義だと言う割りに口が軽い。
「最近、ショットがネットギリギリに決まらなくてな。ネットにかかるように打って、そこから少しずつ離す練習をしているんだ。」
「少しずつ近づけるんじゃいんですか?」
「それだと失敗から逃げる練習になっちまうだろ?」
それを聞いた順平は思わずヒザを打ちたくなった。
そして、思わず叫んだ。
「元木さん、ありがとうございます!僕もさっそくやってみます!!」
「お、おぉ。がんばってな。」
なにがなんだかわからない元木であった。
ポイント
バドミントン全般、そしてそれ以外のスポーツにも言えることですが、原因がわからなければ当然失敗は直りません。
そこで考え出されたのがこの「わざと失敗をする練習」です。
現在はさまざまな分野で取り入れられていますが、特に有名なのがバイクの鈴鹿8時間耐久レースに挑んだホンダ。
部品交換や修理によるタイムロスを避けるため、ありとあらゆる失敗を練習し、そこからやってはいけないことを見つけていきました。
もちろん、これがすべてのバドミントンプレーに使えるわけではありません。
しかし、今の練習方法が効果をあげていないなら、それはあなたに合っていないのかもしれません。
試してみる価値はあります。
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