サーブリターンのミスをなくす方法

ミス

社会人バドミントンチームの新人 順平に、今日もサーブレシーブの達人ミチルの激が飛ぶ。

果たして彼は、問題の原因を見つけ出し、解決することができるだろうか。

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「ちょっとアンタ、このダメ人間!」


サーブレシーブでミスをした順平の心を、ミチルの甲高い声が貫く。

相手のショートサーブを押し込もうとしてネットに引っかけてしまったのだ。

結局そのミスによる失点でゲームは終了。


パートナーのミスで負けたときのミチルは不機嫌だ。

それが先輩であろうと、初心者であろうと罵声を浴びせてくる。

最近、ミチルの指名でパートナーをすることが多い順平は・・・心労で体重が2kg落ちていた。


「あんな甘いサーブ、一発で決めなさいよ!」

「すみません・・・」

「やっぱアンタ、才能ないわ。罰として今日から1ヶ月ワタシの付き人をやりなさい。ほらっ、ジュース買ってきて。」

「はい。」

「午後のゲーム練習も一緒にやるわよ。」

「・・・」

「何?その不満そうな顔は!?」

「い、いいえ。とんでもない。喜んでやらせていただきます。」

「最初からそう言えば良いのよ。」


午後の練習が始まる。

次が順平・ミチルペアの試合だ。

アップをしながら先輩たちのゲームを観戦する順平。


「アンタ、ど素人のくせにボーッとした顔で試合観戦とは良いご身分ね。」


この声は、ミチルだ。

緊張で体がこわばる順平。


「ほらっ、いくわよ。アンタがサーブレシーブが下手なワケを教えてあげる。」

「えっ?あっ、ちょっとミチルさん。どこにいくんですか?」

「いいから来なさい。」


そういって連れてこられたのは・・・ゲームをやっているコートの真横だった。

相手のサーブを待つレシーバーが目の前に見える。

グッと腰を落として、どんなサーブも拾う気迫がみなぎっている。


ところがミチルはこう言った。


「あの子、ミスるわ。」

「えっ?」

「彼の頭の位置がどう変わるか、よーく見ていなさい。」

「頭の・・・位置?」


そして打たれたのはショートサーブ。

猛然とダッシュをかけるレシーバー。

結果は・・・ミチルの予言通りネットに引っかけてしまった。


順平は狐につままれた気分だった。

いくらサーブレシーブの達人だからって、そんなことがわかるなんて。

尊敬というより、気味の悪さを感じる順平であった。

ポイント

ミチルさんが順平くんに注目させたのは、構えをとっているときと、レシーブをする瞬間の頭の位置です。

この差が大きいということは、視線の高さが大きく変わっているということです。


人間の目は左右の動きには順応できますが、上下の動きを捉えるのは苦手です。

そのため、インパクトの瞬間に大きく視線の高さがズレてしまうと、シャトルを捉えにくいのです。


これはサーブレシーブだけではなく、バドミントン全般に言えること。


たとえば、身体の正面にきた球は、少ししゃがんでレシーブしようとするとミスが出やすいもの。

しかし、これを視線の高さを保ったまま、横にズレて取るようにすると取りやすいのです。


レシーブに限らず、視線の高さを意識するとバドミントン全体が安定してきますよ。


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