あの人が怒っている本当の理由と解決法

練習

自分だけが悪いわけじゃないのに、謝らなければいけないのは嫌なものです。

でも、何もしなければ前に進めないし、チームにも迷惑がかかりかねない。

何より気兼ねなくバドミントンができない。

そう思ってようやく謝ったのに、その気持ちが届かない。

今回は、その理由と解決方法を探してみましょう。

それではストーリーをどうぞ。

スポンサード リンク


ユウヤとサツキが久しぶりに大ゲンカをしてしまった。

いつもならすぐに仲直りするはずだが、今回は2週間経ってもまだ仲直りできていない。


ある日のこと。

周囲の説得に折れたユウヤがサツキに謝っていた。


「なあ、サツキ、約束破って悪かったよ。次からは本当に気をつけるよ。」


珍しく素直に謝るユウヤに、誰もが一件落着を予想していた。

しかし、意外にもその言葉はサツキには届かなかった。


「気にしないで。」


と口にはしたが、それ以降もどこかよそよそしい態度をとり続けた。

同じコートに入っても一切口を開かず、練習が終われば一番に帰っていく。


この日も、ユウヤは重苦しい気持ちで昼食をとっていた。

いつものように、チームメイトとワイワイやる気にもなれず、一人で弁当を広げるユウヤ。

そこに声をかけてきたのは、学校のテストが終わって久しぶりに練習に復帰したキョウちゃん。


「ユウヤさん、どうしたんですか?なんか暗いですよ。」

「みんなから聞いているだろ?」

「・・・ええ、まぁ。」

「何だろうなぁ。あいつの気持ちはよく分からん。」


いつもと違うユウヤの様子に真剣に話を聞くキョウちゃん。

そして、少しだけ考えたあと、ゆっくりと口を開いた。


「ユウヤさん。サツキお姉様が怒っているのは、約束を破られたことじゃないですよ。」

「えっ?」

「確かにそのときはそうだったかも知れないけれど・・・今はそんなことどうだっていいんです。」

「どうでもいいって・・・」


打つ手がなくなり、途方に暮れているユウヤに、キョウちゃんは右手を差し出した。


「仕方ないなぁ。ジュース2本でアドバイス差し上げましょう♪」


休憩が終わって、何気なくサツキに声をかけたユウヤ。

それから数分後。

久しぶりに晴れ晴れとした表情のユウヤとサツキが、同じコートに立っていた。


ああ、ようやく元のサヤに収まったか。

と、メンバーが安堵したわずか数分後のこと。

サツキの金切り声が体育館にこだまする。


「あんたは何度同じことを言わせるのよ~~~~~~~~!!」


ついさっき仲直りしたばっかりだと思ったのに。

思わずため息が漏れるなにわスマッシュのメンバー達であった。

ポイント

サツキさんはどうしてユウヤ君の謝罪を受け入れなかったのでしょう。

キョウちゃんはユウヤ君にどんなアドバイスをしたのでしょう。


それでは解説です。


人間には現状を維持しようとする本能があります。

それは怒りでも同じこと。

怒りが小さくなってくると、それを補うために他の原因で怒りを継続させようとします。

そのため、しばらくたつと、怒っていた原因そのものがすり替わる現象が起こります。


時間がたってからの謝罪だと、すり替わる前の怒りに対して謝ることになります。

当然、その人の心には響きませんよね。

何しろ、自分自身、何に対して怒っているのかわからないこともあるくらいですから。


だったら謝りようがないじゃないか、という声が聞こえてきそうですね。

では、ユウヤ君はなんと言って謝ったのでしょうか。


答えはこれです。

「気分を悪くして悪かった。これからもお互いに楽しくバドミントンがしたいから、少しずつ改善していくよ。」


これなら、相手がどんなことに怒っていてもカバーできます。


具体的なことは良いことですが、時には曖昧な方が良いこともあるんですね。


<<本日の教訓>>
  ~何事も時と場合による~


スポンサード リンク

関連記事