苦しみの中にいるメンバーの励まし方

メンバー

人は時として、受け止めきれない苦しみ、悲しみに出会うことがあります。

もし、それがあなたのパートナーだったら。

もし、それがあなたの無二の友人だったら。

あなたはどうしますか?

少しでも早く笑顔を取り戻してもらえるように。

今回のストーリーをお役立てください。

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今日は待ちに待った市民バドミントン大会。

なにわスマッシュのメンバーも出場している。


朝から始まった大会もいよいよ中盤。

その中で、ひときわハイレベルな攻防が繰り広げられるゲームがあった。

なにわスマッシュのホープ、キョウちゃんの試合だ。


相手は地区でも有数の強豪チームのエース。

序盤こそ押されていたものの、徐々に調子を上げてきたキョウちゃんが猛烈な追い上げを見せている。

試合が終わったメンバーたちも応援に駆けつけ、ゲームはいよいよ白熱の終盤へ。


バドミントンは何が起こるかわからない。

ゲームの幕切れは突然訪れた。


ジャンピングスマッシュを決めたキョウちゃんが、着地で足をひねってしまったのだ。

結局ゲームの続行はできず、棄権敗退となってしまった。


「残念だったね。」

「惜しかったな。」

「次はきっと勝てるよ。」


次々と励ましの言葉を送るメンバーたち。


応援してくれたメンバーたちに笑顔で答えるキョウちゃん。

そこに試合が終わったユウヤとサツキがやってきた。


「あっ、ユウヤさん、サツキお姉様。すみません、負けちゃいました。」

「足、ひねったんだって?大丈夫だった?」

「これくらいヘッチャラですよ。次こそ絶対勝ちます!!」


話を聞いたユウヤとサツキの間に、アイコンタクトが交わされる。


ユウヤが何も言わずにほかのメンバーたちを引き上げさせる。

メンバーがいなくなると、サツキがキョウちゃんをグッと抱きしめた。

そして、誰にも聞こえないくらい小さな声でそっとささやいた。


「泣いてもいいよ。」


必死で押し殺していた悔しさが爆発する。

キョウちゃんは、サツキにすがりつくと思いっきり声を上げて泣き出した。


涙も出なくなるほど泣いたキョウちゃん。

まだ悔しさは残っているけれど、どこかすっきりとした表情をしている。


ユウヤとサツキが、自分たちの試合の準備を始めた。

コートに入るふたりに、精一杯の声援を送るキョウちゃんだった。

ポイント

親しい人が苦しみの中にいれば、励ましたいと思うのが人情です。

だけど、時にはそれが逆効果になることも知っておきましょう。


その苦しみがあまりに大きい場合、人は葛藤のあまり言葉を受け付けなくなってしまいます。

そればかりか、せっかくの励ましが自分に対する非難のように聞こえてしまうときすらあるのです。


そんな時はただ抱きしめる。

ただそばにいて、一緒に泣いてあげる。

間接的で回りくどいかもしれないけれど、そんな方法が一番の薬になるときもあるのです。


<<本日の教訓>>
  ~千の言葉よりも確かなものがある~


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