非協力的な人の協調性を育てる方法

チーム

どんなチームにもひとりはいる、非協力的なメンバー。

困りますよね。

でも、せっかく同じチームでバドミントンをやっているのですから、協調性を持ってもらい、みんなで楽しい時間を過ごしたいものです。

そこで今回はこんな方法をご紹介します。

それではストーリーをどうぞ。

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今、なにわスマッシュにはちょっとした問題が起こっている。

新しくメンバーになったチハルが、チームに非協力的なのである。


バドミントンの腕前はかなりのもので、練習は誰よりも燃えて取り組むが、準備や片付けなどは全然やらない。

しかもかなり気の強い性格らしく、先日サツキが注意したときには大ゲンカになってしまった。


今日もみんなが片づけをしているのに、さっさと帰ろうとするチハル。


「もう許せないわ。ぶっちめてやる!!」


サツキが立ち上がった。

そんな怒り心頭のサツキの肩がポンと叩かれた。

ユウヤである。


「待てよ。そんな顔で頭ごなしに命令したらまたケンカになるぜ。」


そういって小走りでチハルを追いかけるユウヤ。

そして、笑顔で声をかけた。


「お疲れさん。」

「お疲れさまです。」

「もう帰るの?何か急ぎ?」

「・・・ええ、まあ。」

「あのさ、みんな手がふさがってるみたいだからモップがけだけ手伝ってくれない?俺もやるからさ。」

「・・・わかりました。」


バッグを置いて、ユウヤの後を追う様にモップをかけるチハル。

やがて10分ほどたつと、ユウヤはニッコリ笑って声をかけた。


「ありがとう、手伝ってもらって本当に助かったよ。」

「えっ?もういいんですか?」

「うん。本当にありがとう。」


それからも、ユウヤはチハルに小さなことを少しずつ頼むことを繰り返した。


それから2週間。

体育館には、チームに協力するチハルの姿があった。


そんなある日、練習が終わって片づけをするチハルにサツキが声をかけた。


「ねえ、それが終わったらジュース買ってきてくれない?」

「自分で行ってください。」


ムカッ


ふたりの会話に危険なオーラを感じ、仲裁に走るユウヤだった。

ポイント

サツキさんですら手を焼いたチハルさん。

どうしてこんなに協力的になったのでしょうか。


今回のポイントは4つあります。


まずユウヤ君は、チハルさんに『モップがけだけ』という小さなことから頼みました。

いきなりいろいろなことを強制すれば当然反発心が生まれます。


反発心は一度芽生えてしまうと消すのには長い時間がかかります。

避けられるトラブルは、最初から避けるのが賢明です。


次に注目したいのは理由づけです。

今回のユウヤ君は『みんな手がふさがっているから』という理由を添えた頼み方をしています。

理由というのは、相手に正当性を感じさせる力があります。

最初は面倒かも知れませんが、繰り返していると、いちいち理由を言わなくても「何か理由があって自分に頼むんだ。」と納得してくれるようになります。


さらに、ユウヤ君は頼むだけではなく一緒にモップがけを手伝っています。

一緒に行動をするということは、相手に『自分はチームの役に立っている、チームの一員なんだ』という連帯感・共有意識を生み出します。


そして、ユウヤ君は最後にきちんと感謝の気持ちを伝えています。

誰だって感謝されれば嬉しいですよね。

どんな小さなことでも、むしろ小さなことこそきちんとするのは、次につながる大切なポイントです。


こんな回りくどいことをしなくても、当然のものだからと強要すれば見かけは協力的になるかも知れません。

でも、チームへの協力はもともと、チーム全員、巡り巡って自分のためのものです。

せっかくだから自発的に、協力してもらえるようになって欲しいですよね。


【 本日の教訓 】
  ~急がば回れ~


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