限られた時間の中、気づきや学びをどれだけ深く理解できるかは、上達速度に直結します。
もっとわかりやすく教えなくては、とがんばるのも結構ですが、こんな方法を試してみてはいかがでしょう?
それではストーリーどうぞ。
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もっとわかりやすく教えなくては、とがんばるのも結構ですが、こんな方法を試してみてはいかがでしょう?
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あと1ヶ月もしたら、春がやってくるなんて信じられないな・・・
そんなことを考えていた岡崎は、背後から聞こえてきた足音に振り返った。
そこにいたのは、バドミントン部 2年生の立脇だった。
立脇の相談は、1年の永野の指導についてだった。
彼は、何度教えても理解してもらえない。
自分の教え方が悪いのか、と困っていた。
「それで先生。俺、これからどうやって教えていったら良いでしょうか?」
「うーん、そうだなぁ。」
岡崎は腕を組んだまま口を開いた。
「永野には仲の良い友達がいたよな。」
「ああ、同じ1年の川上ですか?あいつも俺が教えています。」
「同じくらいのレベルだったよな。」
「はい。」
「じゃあ、今日からしばらく永野に川上を指導させてくれ。」
「はい!?」
「まあ、だまされたと思ってやってみろよ。」
(岡崎からアドバイスを受けた)立脇の指示で、川上の指導を始めた永野。
先輩命令とはいえ、自分と同じ1年を指導する戸惑いは相当だっただろう。
最初はかなりギクシャクしていた。
それは川上も同じだった。
同じ1年に、しかも自分よりうまいわけでもない奴に指導されるのは当然おもしろくない。
しかし、永野はわかりやすい説明をするために努力を重ねた。
それからしばらくすると、川上は黙って永野の指導を受けるようになった。
それどころか、自分から永野に話を聞きにいくことさえ出てきた。
何より永野自身が変わった。
教え方はもちろん、自身の理解力・スキルも上がってきたのだ。
もっとわかりやすいように、何を聞かれても答えられるように・・・
その意識からか、それまでつけていなかった練習日誌をつけるようになった。
また、自分ではわからないことを、先輩や岡崎に聞くときも、質問がグッと具体的になり、その内容をすべてを理解するようになった。
「俺より指導者に向いてるかもな、あいつ。」
2人を遠くから見つめ、そっとつぶやく岡崎であった。
ポイント
これは指導者の方にも役立つノウハウです。
教え子の立場やシチュエーションを理解するため、積極的に学びの場に足を運んでみましょう。
自分の指導がどう受け止められているのか。
どんなところが理解されないのか。
反対に、どう伝えれば理解されるのか。
たくさんのヒントを見つけることができるでしょう。
バドミントン指導者の講習会があればベストですが、それ以外でも大丈夫です。
自身の知識を深めるのはもちろん、同じことを自分ならどう教える、という意識を持つことで指導力アップが期待できます。
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