教え子と心を1つにする「共感」とは?

大会

バドミントンに限らず、同じ目的のために苦楽を共にし、わかり合える師弟関係って美しいですよね。

大きな大会で勝って、抱き合うコーチと選手を見ていると、こちらも胸が熱くなります。

あなたは、チームのメンバーとそれくらい気持ちをひとつにできていますか?

誰だって、長く付き合っていれば、自然とそういう関係になっていく・・・と思いますか?

それではストーリーをどうぞ。

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先日、地域のオープン大会で大会デビューを果たしたバドミントン部の1年 熊谷。

運が悪いことに、生まれて初めてのバドミントン大会で当たった相手は、その大会の主とも呼べる強豪。

結局、手も足も出ないままあしらわれてしまった。


最初から負けることはわかっていたが、あまりにもひどい完敗だったため、熊谷は落ち込んでしまった。


「実力が出せなかったんだよ。俺もそうだった。」

「相手が悪すぎたんだよ。」

「この経験がきっとこれからの財産になる。」

「まだ3年あるし、次でリベンジだ。」

「デビュー戦であれだけやれれば上等だ。」


あまりの落ち込み様に、見かねた先輩が励ます。

だが、熊谷の顔色は晴れない。


そんなとき、職員会議を終えて、顧問の岡崎がやってきた。

話をきいて、軽くうなずくと熊谷に話しかけた。


「おう熊谷。お前、初めての大会で1セット取ったんだって?」

「いや、まぐれですよ。そのあとはコテンパンです。」

「マジで?すげぇ! で、どんな気分だった?」

「そりゃ、スカッとしましたけど・・・でも・・・」

「そうだよな。俺、バドミントンやったことないけど、試合でスマッシュ決めるって気持ち良いんだろうなぁ。」

「ええ、まぁ。でも・・・」

「そうか、そうだよな。あ~、いいなぁ。。。」

「・・・」

「熊谷がバドミントンはじめたのって高校入ってからだよな?お前、才能あるよ!」


圧倒的に褒めちぎる岡崎。

そのあまりの勢いに圧倒される熊谷。


その後、岡崎は他の部員たちの様子を見に戻っていった。

あっけに取られた顔でそれを見送る熊谷

だがその心には、少しずつあの1セットの余韻がよみがえっていた。

ポイント

今回のポイントは、「褒める回数を増やそう」「どこを褒めるのが効果的」といった話ではありません。

キーワードはズバリ「共感」です。


共感というのは読んで字のごとく「感情を共にする」ことです。


「へぇ、すごいね。」


の一言で、なにが伝わるというのでしょうか。

伝わりませんよね。


共感を生むのは、言葉ではなく感情です。

なにを言われたかよりも、自分のために感情を動かすエネルギーを使ってくれた、ということがうれしいのです。


こうして書くと当たり前のことですね。

でも、忙しかったり、自分の気持ちが沈んでいたりすると、それが面倒になります。


感情は思ったよりも大きなエネルギーを持たないと伝わりません。

一流の指導者とは、冷静な判断はもちろん、選手以上のエネルギーを持ち続けられる人のことをさすのです。


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